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天翔雲流  作者: NOISE
神魔王降臨、広がる世界……。
1710/1789

崩壊

 ウルカスムの内乱……。

 ハキムの暴挙で、内政は、混乱状態。外交も、四方を敵に囲まれ、困窮している。

 滅びるのも、時間の問題か……?

 民達は、ハキムを追い落とし。再び、インスモーンの統治を、切望している。

 最早、国として、成り立っていないのだ。

 奴に、最早、逃げ場は無い!

 俺も、アルマ達の為に、容赦はしない。

 それでも、窮鼠猫を噛む。

 故に、獅子は、兎を狩るにも、全力を尽くすのだ。

 その言葉にのっとり、俺は、ハキムの動きに、細心の注意を払う。

 言うて、今の奴に、やれる事など、限られてくるが……。

 俺の〝目〟に映るハキムは、日々、酒に溺れ、やり場の無い怒りを、家臣達に、ぶつけている。

 そんな家臣達も、ハキムに対して、見切りをつけてしまった様だ。

 レジスタンスと、内通している。

 それでも、この国が、辛うじて成り立っているのは、妖魔達の脅威からだ。

 多くの者達は、日々、妖魔達の猛攻に怯え、必死に対抗している。

 そのお陰で、ハキムの首の皮一枚残して、辛うじて、玉座に座る事が出来ている。

 しかし!

 最早、時間の問題か……。

 多くの民は、インスモーンの。シャミラの統治を、強く望んでいる!

 哀れな道化に、最後の審判を……!

 ハキムを旗印に、妖魔に対し、一大攻勢に出るつもりだ。

 その真意は……!

 さて、どうなる事かな……?



 ハキムは、逃げる事を、許されなかったか……。

 父を、そそのかし。妹を、道具の様に使おうとした。

 奴は、策略家を気どり、何時も、誰かの影で、ほくそ笑んでいた。

 奴の玉座は、仮初の物……。

 奴が、何を企み、何を求めていたのか?

 結局のところ、誰にも分からない。

 ハキムは、戦場に立たされ、家臣達に、一振りの剣を、手渡される。

 家臣達は、今までの圧政に、怒りを募らせ、それを、発散するかのように、醜悪な笑みを浮かべ、妖魔達を指さす。

 そして、

「国王陛下……!我が国は、あなた様の愚行で、最早、退路はございません!あなた様が、先陣を切り、この難局を、打開して下さい!それが出来ぬと言うのであれば、私達も、民達も、あなた様を、最早、王とは、認める事は無いでしょう!さあ!この剣を持って、妖魔達を、討ち払って頂きたい!!」

「なっ!?貴様等、何を!?」

 ハキムは、無理やり、剣を握らされる。

 兵達が、せせら笑う。

 ハキムは狼狽し、

「だ、誰か!私の味方は、居ないのか!?」

 騎士達が、一斉に、剣を、ハキムに向ける!

「さあ!我等に、道を、示して下さい!!」

「なっ!?」

 騎士達もまた、既に、ハキムを見限っていた。

 ハキムは、怯え、震え、剣を落とす。

 周りは、敵ばかり……。

 膝をつき、呆然と、

「こんなの、嘘だ……」

 誰も許さない……。

 誰も助けない……。

 ハキムは、落とした剣を、再び握らされる。

「さあ、どうされますか?我等も、鬼ではありませぬ。王位を退くと言われるのでしたら、命だけは、補償いたしましょう。その剣を捨てて、我等に、跪きますか……?」

「き、貴様等!!それが、王への態度か!?父の愚行で、滅びたこの国を!今一度、復活させたのは、この私だぞ!!」

「ふっ……。何を、ぬけぬけと!先王をそそのかし、この国を、滅ぼしたのは、あなたの所業だろう?貴様が一人で騒いで、滅茶苦茶にしているだけでは無いか!!」

 家臣達を初め、兵に至るまで、憤怒の顔で、ハキムを睨む!

 ハキムは、怒りに震え、真っ赤な顔で、剣を、大地に突き刺し、周りの人間を見回す。

 血走った目で、

「私を引きずり下ろし、為らば、この国は、どうすると言うのだ!?貴様等が、この対局を、どう!乗り越え、ウルカスムを、導くと言うのだ!?」

「簡単な事です。今一度、シャミラ様に頭を下げ、インスモーンに、併合させてもらうのです」

「き、貴様等!国を!ウルカスムを、インスモーンに、売ると言うのか!?」

「売る……?ウルカスムを、ここまで、荒廃させたのは、あなたの所業ではありませんか!!我等は、あるべき姿に、戻すだけです!!」

「貴様等!貴様等!貴様等!貴様等ぁ!!」

 ハキムは、半狂乱で、喚き続ける。

 これは……!

 嫌な気配がする!

 もしかすると、最悪な事態が、起こるかもしれぬ。

 俺も、魔力の目で、傍観している事は、出来ぬかもしれぬな……。


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