何を心配しているのだろうか?
パーティーが始まる……。
そして、俺の前には……。
「ジャショウ!わらわは、奇麗か?」
「んあ?シャミラか。大丈夫!何時にも増して、とても綺麗だよ」
「そうか!わらわは奇麗か♪」
俺に抱き着くシャミラ。横で、アルマが、不安そうな顔をする。
シャミラは、それに気づき、
「お主は……」
アルマは、俺の手を、力一杯握り、震えながら、
「我が父の不徳で、インスモーンには、大変迷惑をかけました!謝って済む事ではありませんが、申し訳ありません!」
シャミラは、慈しむ様に、アルマを見つめる。
アルマの頭を撫で、
「お主は、ちゃんと謝れる、良い子なのじゃ♪それに、今は、ジャショウの妹なのじゃろう?為らば、わらわの、妹でもある!」
「えっ?あっ……。シャミラお姉様?」
「うむ♪」
シャミラは、アルマに、姉と呼ばれて、満面の笑顔で頷く。
少し後ろでは、アモスとナタンが、嬉しそうに、その光景を、見守っている。
俺は、誰とも、結婚しないのだが……。
今、それを言うのは、野暮と言うモノか。
アルマとシャミラは、嬉しそうに、俺の手を引き、
「わらわは、あれが食べたいぞ!」
「お兄ちゃん!私も、あれが食べてみたい!」
「はいはい……。じゃあ、皆で、料理を食べに行くか」
「「うん♪」」
まったく……。
我が姫君達は、世話がやけるよ……。
俺達が、仲良く、食事を堪能していると、ソルトとメイニルが、真っ青な顔で、駆け寄ってくる。
慌てた様子で、
「シャミラ様!我が国と、インスモーンは、対等な関係です!どうか、ルキウス様と同じ席で、来賓として、もてなさせて下さい!」
「うむ?わらわは、ジャショウが居れば、その様な事は、気にせぬぞ?」
「そう言わず!どうか、あちらの席に!」
「むう……」
アモスとナタンは、何かを察したのだろう。可笑しそうに、笑っている。
しかし、俺もまた、シャミラの身分を考えず、随分と、連れまわしてしまったな。
メイニルに、手を引っ張られ、
「ジャショウ君も、大人しくしていて下さい!」
「う、うむ。済まなかった……」
また、怒られてしまった。
シャミラに代わり、メイニルが、俺のお目付け役として、付いて歩く。
「ジャショウさんは、勘違いされやすいんだから、注意して下さい!」
「何を、勘違いされるのだ?」
「はぁ……。そう言う、無防備なところが、問題なんですよ!」
「お、おう……」
やはり、何を言っても、怒られてしまうのか?
理不尽に思えてならないぞ……。
ベルトラム達は、後ろで、可笑しそうに、笑いを噛み殺している。
アルマは、俺の腕に抱き着き、
「お兄ちゃん。あっちに、美味しそうなのがあったよ?」
「ん?じゃあ、食べに行こうか」
「うん♪」
「ちょっと、ジャショウさん!!まだ、話が終わっておりません!あなたは、私の側で、大人しくしていて下さい!!」
メイニルが、血相を変えて、俺の横を歩く。
ああ、姦しい、姦しい……。
やれやれ……。
この者達は、一体何を、心配しているのだろうか……?




