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天翔雲流  作者: NOISE
神魔王降臨、広がる世界……。
1704/1794

神の子じゃねえから!

「おやまぁ!ジャショウ坊は、相変わらず、私達を、驚かすのが、好きなんだねぇ」

 ニル姉さんが、感心した風に、ニコニコ笑い、俺の背中を叩く。

 また、慌てるウーナ。

「こ、この方は、本当に、神の子なのですよ!」

「分かってる、分かってる♪こんな事が出来て、私等と同じ人間なんて言われても、困ってしまうさ!ジャショウ坊は、本当に、神の子だったんだねぇ」

「は、はい!だから、もう少し、敬意を以て……」

「勘弁してくれ……。俺は別に、神の子じゃねえよ……」

 俺は、顔をしかめ、ニル姉とウーナに、抗議する。

 大笑いする、村人達。

「ジャショウ坊は、本当に、変わっておるのう。皆が憧れる、勇者を嫌がり。神の子と言われても、顔をしかめる。驕らず、えばらず、儂等と一緒に、良く働いてくれる!」

「だから儂等は、ジャショウ坊が、大好きなんじゃ!」

「はいはい……。俺の事は、別に良いですから、早く、家を建てる場所を、決めてしまいましょう」

 再び、村人達は、大笑いをする。

 俺は、アルマ達と、静かに暮らしたいのだ。

 ゲルメルが、にやにや笑い、俺の頭を、くしゃくしゃに撫でまわす。

 また、慌てるウーナ。

 やれやれ……。

 さっさと話し合いを、始めてくれないかなぁ……?



「では、中央に、領主様の屋敷を建て。その向かいに、セラフィル様の神殿を建て、ハラ婆さん達には、そこで暮らしてもらう。その他、東西南北、入場門までの、広い道を創り、後は、マス目状に、道を創ってゆくと?それじゃあ、そこまでは、俺が創ってしまいますが、良いんですよね?」

「は、はい!よろしくお願いします!」

 ウーナを筆頭に、村人達が、期待した目で、俺を見ている。

 仕方が無いか……。

「万物光りて、在るべき姿に……!」

 俺の言葉で、予め用意していた、木材、石材、数多の材料が、天上で、弧を描く。

 極限まで、光り輝き……!

スタン!!

 次々と、石造りの道が創られ。続いて、領主の館と、神殿が、創られてゆく。

 その光景に、ウーナは勿論、村人達すら、呆然と眺めている。

 俺は、涼しい顔で、最後のピースをはめ、

「はい、完成です♪後は、皆で、頑張って下さいよ?」

 俺は、ふぅっと息を吐き、気伸びをする。

 後は、人々の仕事だ。

 俺が、全てをやってしまえば、人々の発展や、仕事を奪う事に成る。

 俺は、役目を終えたと、村人達に、後を託そうとする。

 しかし……。

 呆然とする一同。

 俺は、首を傾げ、

「どうか、しましたか?一応、地中に、下水路を創ったので、上手く、活用して下さい。って、聞いていますか?」

 反応の無い村人達に、再び、俺は、首を傾げ、問いかける。

 しばらくして、漸く、ニルが、声を振り絞り、

「ジャショウ坊は、本当に、神の子だったんだねぇ……」

「だから、俺は……」

 また、俺を、神の子と呼ぶか……。

 うんざりする俺の気など、気にもせず、村人達は、大歓声を上げる。

 ベルトラム達も、興奮し、

「ジャショウ!お前、すげえよ!本当に、何でも、出来てしまうんだな!」

「ああ、これを、神の奇跡と呼ばず、何と言いましょうか?」

「ジャショウ……。やっぱり、神様なの?」

「いや、俺は、ただの、万事屋なんだが……」

 やれやれ……。

 人の熱気が、凄まじい。

 やはり、少し、やり過ぎてしまったか?

 はぁ……。

 もう少し、自重しなくてはな……。


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