神の子じゃ無くて、万事屋です!
テンパるウーナ……。
丁度そこに、
「おったまげたぁ!何だいこりゃあ?ジャショウ坊一人で、こんな短時間で、創ってしまったのかい?」
「あれ?村の皆さん、どうしたのですか?」
「何。ジャショウ坊一人に、全てを押し付けて、申し訳ないと思ってのう。手伝いに来たのさ」
「しかしのう。儂等に、出る幕は、無いようじゃのう」
「ははは!お心遣い、感謝いたします。しかし、これ位の事でしたら、俺一人で、ちょちょいのちょいですよ♪」
「やっぱり、ジャショウ坊は、神の子なんじゃのう」
「ハラ婆さんの、言っていた通りじゃ!ジャショウ坊が、本気に成って下されば、何も、心配無いと、言っておったよ」
村人達が、満面の笑顔で、俺の背中を、バシバシ叩く。
ウーナは慌て、
「み、皆さん!この方は、本当に、神の子に違いありません!もっと、大切に敬い、敬意を以て、接して下さい!」
「ああ、良いの、良いの。俺は、別に、神の子じゃないから。俺にとっては、今まで通り、接してくれる方が、嬉しく思うよ」
「し、しかし!」
ウーナの、慌てるさまに、村人達は、可笑しそうに笑う。
俺と、肩を組み、
「ジャショウ坊は、誰よりも働き、謙虚だからのう。儂ら皆の、大切な息子じゃ」
「そうじゃ、そうじゃ!ジャショウ坊と言ったら、ニッサ村の、愛し子なんじゃ!」
「はいはい……。父上達は、他の村人達に知らせて、領主様を中心に、明日は、何処に、家を建てるか、話し合う事に成りますよ?」
「そうか、そうか!こんな物を、見せられてしまえば、村の皆も、驚くじゃろう!」
「無いさ、無いさ!ジャショウ坊なら、何かやってくれると、村人達は、期待していたからのう!」
「早速、村に帰って、皆に報告じゃ!」
元気の良い、父さん達だ。
俺は、肩をすくめ、苦笑を零す。
そんな、俺と村人のやり取りを見て、ウーナは、真っ赤な顔で、
「皆さん!本当に、ジャショウ様は、神の子なんですよ!」
だから、俺は、神の子じゃないのだが。
まあ、一応、神の子なんだが……。
村人達は、ニコニコ笑い、
「分かっておるよ!領主様!儂等は、微塵も、疑ってなどおらん!ジャショウ坊こそ、神の子なんじゃよ」
「そして、儂等の子でも、在るんじゃよ」
村人達は、手をひらつかせ、去ってゆく。
俺は笑い、
「ほら、領主様!明日は、忙しくなりますよ?道を決めて、村人達の、住居を、定めなくては為らないのですから」
「は、はあ……。もう私には、何が何だか、分からなくなってしまいました……」
「ニッサ村の万事屋は、何でもこなしますよ♪今後とも、御贔屓に♪」
「はぁ……。万事屋……。はぁ……」
やれやれ……。
少し、派手に、やり過ぎたか?
まあ、ニッサ村の為だ。
俺は、自重なんて、してやらないからな!




