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天翔雲流  作者: NOISE
神魔王降臨、広がる世界……。
1702/1794

始まる、街の建設

 早朝……。

「ナタン殿。今日は、夜まで帰らず、ニッサの街の、土台を造ってくるつもりだ。済まないが、アルマの事を、頼んでも大丈夫か?」

「お任せ下さい!アルマ様の事は、この爺や、命に賭けて、お守りする所存です!」

「アルマも、ナタン殿の言う事を聞き、良い子で居るんだぞ?」

「はい!ジャショウお兄ちゃん♪」

 アルマの笑顔に、俺も、笑顔で返し、優しく、頭を撫でる。

 さて、頑張るとしようか……!

 俺は、家を後にし、ウーナの下へ行く。

 ガキが一人で、街を作ると言う。

 ウーナは、俺に騙され。それを、村人達の拒絶と、考えてしまったのかもしれぬ。

 憔悴しきった顔で、俺に、頭を下げる。

「申し訳ありません……。私の理想が、妄言の様なものだと、自分でも、分かっております。それでも、実現しなくては、成らない事なのです!今一度、村人達と話し合い、出来る範囲で、実現出来るよう、努力したいと思います」

「あのなぁ……」

 仕方の無い事だが……。

 もう少し、俺を、信頼して、頑張ろうと思わないのだろうか?

 俺は、俯く、ウーナの頭を撫で、

「せめて、一日でも、頑張ってみないか?別に、村人達は、ウーナ様の事を、見限った訳では無いぞ?取り敢えず、他人に頼る前に、自分達で、出来る事を、やろうじゃ無いか」

「は、はあ……」

 俺は、ウーナの手を引き、歩き出す。

 護衛達も、慌てて、その後に続く。

 村から、五百m位、離れた場所。

 まあ、ここ等辺で、大丈夫だろう。

 樹木が生い茂り、南に目を向ければ、石場が存在する。

 俺は、ふぅっと、息を吐く。

 錬気が溢れ、俺の体から、無数の影が、現存される。

 まあ、簡単に言えば、分身の術の様なものだ。

 ただ、各々が、実体を持つ。

 その数、優に千体を超える!

 驚く、ウーナ達。

 俺は、首を傾げ、

「で、領主様、どの様な街をご所望で?五K×五K位の、大きさで良いか?ここ等一帯を、整地したいのだが……」

「えっ!?あっ!は、はい!その位の大きさもあれば、十分、余裕があると思います!」

「そうか……」

 俺は、優しく笑い、優雅に、手を振るう!

斬!!

 一帯の木々が、音を立てて、倒れてゆく。

 そして、それを合図に、影達が、動き出す。

 倒れた木々を、木材に変える影。

 雑草の様に、切株を、引き抜いてゆく影。

 岩を砕き、整地してゆく影。

 石切り場へと向かい、石材を用意する影。

 全て、俺が、操っているのだが、まだまだ、現存出来そうだな。

 初めて使う技故に、一か月の猶予を貰ったが、これなら、一週間もあれば、余裕で、城壁など、完成できる。

 半日も掛からず、広大な土地が、見事に整地された。

 木材も石材も、創気で、簡単に、加工してしまう。

 ただ呆然と、見ているだけのウーナ達。

 再び、俺は、首を傾げ、

「さて、土台は、準備出来た。領主様、このまま、城壁も、俺が、創ってしまっても良いのだろうか?」

「は、はい!お任せします!!」

「うむ」

 やれやれ……。

 感動するのは良いが、全部、俺任せか。

 まあ、投石機や、魔法を考慮して、壁は厚くし、等間隔で、円形の塔を建てるか。

 弓が打てる様に、小窓を創り、城門は、木で大丈夫だよな?

 ザンギバールとの、国境沿いだ。

 早々、戦争も、起こらないだろう。

 俺は、影達の作った材料を、念力で、空中に浮かし、脳内の、設計図通り、一気に、仕上げる!

「万物は、在るべき場所に!」

 万物複製の法は、使ってないよぉ。

 ちょっと、念力で、ズルしただけだ。

 セーフだろう?セーフ!

 とは言え、実はちょっと、万物複製どころか、万物創造を、使ってしまったのだが……。

 鎖とか、細かな部品とか、一から作っていたら、時間がかかるからなぁ……。

 まあ、別に良いでしょう?

 それにしても……。

 何が、一週間だ?

 三時には、完成してしまったぞ。

 俺は、クキクキと、首を鳴らし、

「まあ、こんなもんで、大丈夫でしょう?サービスで、外堀も、創ってしまいましたが。別に良いですよね?領主様が、良いと言って下されば、東の大河から、水を、流し込んでしまいますが?」

「へ?あっ!あの?へ?」

 こいつ等、何を、テンパっているのだ?

 俺は、眉間に、しわを寄せ、

「外堀は、埋めてしまいますか?その場合は、門の方も、跳ね橋式にしたので、多少、直す必要がありますが」

 若干、苛立つ俺。

 ウーナは、慌てて、

「だ、大丈夫です!全て、お任せします!それより……」

 上目遣いで、俺を窺うウーナ。

 今度は、何だ?

 まったく……。

 面倒事は、御免だぞ……。


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