愚行の代償……。
西部の一国……。
ウルカスムと言ったか?
今回の暴走で、南部どころか、同じ西部諸国からも、見放される。
インスモーンの将、アモスは、大いに怒り、兵を、転進させる。
そのまま、ウルカスムを、急襲!
総兵力を以て、インスモーンに挑んだ、ウルカスムに、為す術など無かった。
街は荒らされ、城は燃え、王は、アモスの手で、捕縛された。
ぼろきれを纏わされ、首に縄を掛けられ、馬に、引きずられながら、罪人として、各国の王の前で、醜態をさらす。
アモスは、容赦なく、ウルカスムの王に、鞭を打つ!
そんな、愚かな男の下に、幼き少女が駆け寄る。
彼女は、ウルカスムから、人質として送られた、アルマ姫か……。
大人達は、目を背ける。
この裏切りで、この少女も、殺さなくては成らず、この場に、連れて来られたのだ。
胸糞悪い……。
ウルカスムの王は、一度、アルマ姫を見て、
「済まぬ……。私は、全てを見誤った。手薄に成った、インスモーンを襲い、領土を奪還した暁には、必ず、お前も、救出しようと思ったが……。ははは……。シャミラ王女が、戦場に出たと聞き、あの戦いで、大勝を収め、お前と、人質交換で、全てが、丸く収まると……!」
「お父様!お父様は、今は、人同士が、争う時では無いと、仰ったじゃないですか!なのに、何故、こんな事を!」
「済まぬ……。魔が差したのだ……。手の届くところに、インスモーンの、肥沃な地が在り、今なら簡単に、手に入ると思ったのだ!それなのに……!それなのに!南部連盟には、悪魔が居た!一切の、慈悲を持たず、我が将を!我が兵達を!一兵残らず、皆殺す、化け物が!!」
おやおや……。
静観している、つもりであったが……。
自らの愚行を、私怨に変えたか。
シャミラの横に居た俺は、凶悪な笑みを浮かべ、再び、空間転移する。
行先は……!
「ジャ、ジャショウ君!?君が何故、ここに!?」
「何……。そこに居る、愚か者に、引導を渡しにね……。まったく、愚かな男だ。自らの愚行を、恥もせず、我が子の前で、愚かな野望を、口にするとは……!」
「貴様は……?」
「お前の、将や兵を、惨たらしく殺した、悪魔だよ……!」
ウルカスムの王の顔が、醜く歪む。
「貴様か……!貴様が!全てを、滅茶苦茶にしたのか!!私は、命令したのだ!奪われた大地を、取り戻すが。インスモーンの者達を、余り、殺すなと!シャミラ王女も、丁重に護送しろと!それなのに!!」
「ふん。本性を現したか?被害を、最小限にしろだ?シャミラを、傷つけるなだ?綺麗事を、言っているんじゃねえぞ?戦争を始めれば、多くの人が死ぬ!この大事な時に、人同士の戦いを、始めたあんたに!正義など無い!お前の所為で、多くが死んだ!その少女も、死ぬ事に成るんだぞ!!」
ウルカスムの王は、俺の言葉を聞き、目を見開く。
周りの王達を見、最後に、自分の娘を見る。
震えた声で、
「私を殺せば良い!それで、全て、丸く収まるだろう!?娘は関係ない!関係ないんだぁ!!」
今更かよ……。
既に、娘のアルマは、幼いと言うのに、覚悟を決めているのに……。
俺は、怒りを覚え、静かに、拳を握った……。




