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天翔雲流  作者: NOISE
問われる、勇者の在り方
1681/1794

勇者反乱!広がる混沌

 俺の役目は、あくまで、見届ける者。

 世界は未だ、驚異の中にある。

 妖魔は跋扈し、民達は喘ぎ、もがき苦しむ。

 逸早く、アルカディアを筆頭に、南部の国々は、妖魔の脅威を排除した。

 それに伴い、南部連盟を結成。

 各国、助け合い、復興に努める。

 これに焦ったのが、その他の国々だ。

 温存していた、勇者達を駆り出し、妖魔達に、対抗しようとする。

 しかし、まあ、最初の頃の、聖フィナゴールと一緒だ。

 勇者と言う真理を持ちながら、戦いを知らない者達。

 次々と、妖魔に殺されてゆく。

 辛うじて、機能しているのは、アースガルド位か……。

 勇者達が死に、将が死に、兵達が死んでゆく。

 何カ国かは、既に、崩壊し、多くの妖魔が、近隣の国々を、更に、襲うと言う状況。

 今まで、勇者達を、育てて来なかった結果だ。

 南部を除き、これで漸く、勇者と言うカードが、政治的価値を失い、皮肉にも、正常に、機能する様に成った。

 夢から覚めた彼等は、戦場に投げ込まれ、戦い、戦い、淘汰され。自らの宿命を呪い、生き残った者は、漸く、それなりの戦士に、成ったと言う処か。

 それでも、瘴気の巣を潰すのが、精一杯と、言ったところだ。

 混沌は続く……。

 民達は、平和を望み、南に、逃れてゆく。

 均衡が崩れ、世界が、大きく揺れる。

 やれやれ……。

 多くの命が消えた……。

 人は、どれだけの血を流せば、目覚めるのだろうなぁ……?



 アースガルドより先、勇者を殺し、暴走していた北部が、完全に、崩壊した……。

 多くの瘴気が、北部を覆い、幾つもの魔巣が、呼び寄せられる様に集まり。地上に、一つの、巨大な地獄が生まれる。

 東部と西部は、アースガルドを中心に、その地獄を広げない様、国境を、完全封鎖した。

 しかし、皮肉にも、北部に、地獄が生まれた事で、瘴気が、そちらへと流れてゆく。

 これにより、仮初の平和が、東部と西部にも、訪れたと言う。

 しかし、予断出来ない状況だ。

 瘴気は、数多の妖魔を生み、何時、爆発するとも知れぬ爆弾の様に、その存在感が、西部と東部に住む者達に、恐怖を植え付ける。

 もう、なりふり構っていられない。

 東部、西部共に、生き残った、勇者パーティーを集め、討伐部隊を、結成する。

 瘴気の巣を、一つでも多く。

 妖魔を、一匹でも多く。

 兎に角、この悪夢から、必死に逃れようと、使えぬ駒を、生贄に捧げる。

 それが、最悪な結果を、もたらす事に成るとも知らずに……。

 勇者達の反乱……!

 地獄を前にして、勇者達は、凶行に及んだ。

 妖魔に背を向け、失われた筈の牙を、人類へと向ける!

 腐っても、神に認められた勇者達……。

 腐っても、この地獄の中で、生き延びた勇者達……。

 瞬く間に、多くの兵が殺され、見事、勇者達は、この地獄から、逃走する事に成功する。

 何もかもが、お粗末なのだ。

 総数にして、二十三組の、勇者パーティー……。

 総勢、九十二人……。

 たった、それだけの少年少女に、己が運命を託すのは、愚かな行為と言える。

 しかし、愚か者は、彼等だけでは無い!

 逃走した、勇者達も、そうだ。

 己が国に、逃げ帰り、必死の抵抗を、試みる。

 ある者は、村を占拠し。また、ある者は、山に逃げ込み、賊と化す。

 未だに、自分達の置かれている状況が分からず、王城へと、逃げ帰り、王に、助けを求めた者達も、多くいた……。

 これにより、勇者達の価値が、完全に、失われる事と成る。

 神の加護を見失い、人々は、もがき苦しむ……。

 地獄が、ゆっくりと、近づいて来る……。


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