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天翔雲流  作者: NOISE
問われる、勇者の在り方
1673/1794

暴挙と愚策

 流石に、アーロンも、今回は、ただでは済まなかった。

 他国の要人、殺害未遂。

 謹慎どころの、話では無い!

 すぐさま、鎖に繋がれ、牢獄へと、投げ込まれてしまった。

 国王リシャードの怒りは、尋常では無く、このままでは、アーロンは、聖フィナゴールの、害悪に成ると、即刻処刑を、言い渡す。

 家臣達は驚き、今、貴重な勇者を失う事は、国の損失に成ると、必死に宥める。

 ここで生かして、リシャードの言う通り、国の害悪に成らなければ良いが……。

 取り敢えず、勇者候補生へと降格。

 一か月、牢屋で頭を冷やし。その後、一兵卒として、軍で、その性根を、鍛え直す。

 はぁ……。

 本当に、大丈夫だろうか?

 家臣達の考えでは、ここで、アーロンを切る事で、同等であった、アルカディアとの、勇者の数が、劣ってしまう事を、危惧したのだろう。

 相変わらず、目先の数値で、盲目に成り下がる、哀れな凡夫達だ。

 最早、他国は、アーロンと言う外交カードに、価値を付けないだろう。

 それ処か、要人殺害未遂を、勇者であると言うだけで、許してしまうとは……。

 この後、聖フィナゴールは、案の定、他国に、距離を取られる様に成ってしまう。

 家臣達は、大慌てで、この事件を、揉み消そうと必死に成ったが、後の祭りだ。

 事の事実は、大袈裟にねじ曲がり、城内から国内に。国内から国外に。瞬く間に、広がってしまう。

 最早、火消しは、多少の水では、どうする事の出来ない、状況と成った。

 結局、俺達も、メッセイ観光どころでは、無くなってしまったな。

 家臣達は、この事件は、俺にも、責任の一端があると、発表するが、これには、リシャードとソルトが激怒。

 民達もまた、その様な妄言を、信じる者は居ない。

 逆に、真実を知ろうとする民達が、俺達と共に戦った、騎士達や兵達に、真実を追求する。

 騎士達や兵達もまた、俺に命を救われ、今回の一件で、激怒していた。

 洗いざらし、全てをぶちまける。

 また、それが、誇張されて、話が広がる。

 家臣達の行動一つ一つが、全て、裏目に出てしまったのだ。

 ソルトもまた、怒りに怒り、結局、少し早いが、聖フィナゴールを、去る事と成った。

 やれやれ……。

 リシャードも、大変だなぁ……。

 折角、アルカディアと、友好な関係を、築き始めていたのに……。

 アーロンの愚行と、家臣達の愚策で、全て滅茶苦茶だ。

 どう、落とし前を、付けるのかねぇ……?


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