やはり、エレズと一緒か……。
俺達が、謁見の間から出て来ると、ヤスミンが、ニコニコ笑い、出迎えてくれる。
「ジャショウ様達、お疲れ様です♪今、他のメイド達と、食事の用意を致しました。本日は、ゆっくり休み、体の疲れを、癒して下さい♪」
「ん。ヤスミン達には、世話に成りっぱなしだな。後一週間、この国に、滞在する事と成った。その間も、よろしく頼めるか?」
「ええ!ちゃんと、伺っております♪引き続き、ジャショウ様達に仕え、ご奉仕させて頂きます♪」
「済まないな……」
俺は笑い、ヤスミンに、頭を下げる。
ヤスミンは、笑顔で、
「いえいえ!ジャショウ様達に、仕えていると話すと、民達が喜ぶのです!私達は、鼻が高いですよ♪」
ヤスミンは、そう言い、笑顔で、俺達の背中を押す。
「さあさあ♪ご飯にしましょう♪」
「分かった、分かった。そう、急かさないでくれ」
和やかに、食堂へと、向かおうとする。
その時……!
「あああああああああああ!!」
城中に、響き渡る絶叫!
俺達は、驚き、後ろを振り向く。
そこには、アーロンの姿があった。
目を血走らせ、俺を睨み、
「貴様か!貴様が、謀り、俺を、陥れたのか!!貴様が来てから、全てが、おかしくなったんだ!!貴様が!貴様が、全部悪いんだぁ!!」
剣を抜き、狂った様に、襲い掛かる!!
やはり、こいつも、エレズと一緒か。
俺は、深く、息を吐き、アーロンを睨む!
振り上げられた剣を、最小限の動作で、討ち払い……!
ゴキッ!!
アーロンの腕が、無残にも、あらぬ方へと、折れ曲がる!
再び、城中に、アーロンの絶叫が、木霊する!
俺は、そのまま、アーロンの鳩尾に、掌底を叩き込む!!
「おごっ!?」
「手前が一人で、暴走しただけだろうが……!」
アーロンは意識を失い、騎士達が、駆け付ける。
そのまま、アーロンは捕縛され、何処かへと、連れて行かれてしまった。
はぁ……。
最後まで、見苦しい奴だった……。
やはり、俺は、帰った方が、良いかもしれぬな……。




