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天翔雲流  作者: NOISE
問われる、勇者の在り方
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これでは、アルシファードと一緒では無いか……?

「ジャショウ!あんた、何度も言っているでしょう?誤解されやすいんだから、しっかりしなさいよ!!」

「い、いや!今回は、アーロンと国王陛下の所為だろう?」

「ジャショウさんが、必要無いと言えば、丸く収まる話です!!」

「し、しかし!俺が追い出したら、彼女達は、今のアーロンに、理不尽な事で、責められてしまうのだぞ?放っておけるか!」

「「そう言う処が、勘違いされるのです!!」」

「お、おう……」

 なんと、理不尽な……。

 俺の、困り顔を見て、二人は、ため息をつく。

「仕方が無いわねぇ……。確かに、あの勇者の側じゃ、あの子達が、何をされるか、分からないわよね……」

「仕方が無いですね……。アーロンは、プライドだけは、高いですから……。エミネさんの言う通り、落ち着くまでは、ジャショウさんの側に居る方が、安全ですか……」

「あ、ああ。やっぱり、そうだろう?」

「「ただし!!」」

 エミネとアポロニアが、ぐっと、顔を近づける。

 俺は、仰け反り、

「ま、まだ、何か?」

 二人は、眉を吊り上げ、

「あんたも、違う意味で、危険な男だから、私達が、側で、見張っているから!」

「そうです!ジャショウさんは、違う意味で、危険な人です!トイレとお風呂以外は、常に、私達の側を、離れないで下さい!!」

「おっふ……。俺って、危険なのか?」

「「危険です!!」」

 俺、何かしたっけ?

 まったく、理解が出来ない……。

 この後も、二人に、散々、説教されて、俺は、首を垂れる。

 アルシファードと一緒だ……。

 何なん?

 この理不尽……。

 久々に、俺、泣きそうだよ……。



 アーロンは、リシャードに、こっぴどく怒られ、反省中……。

 家臣達も、アーロンを、甘やかすなと怒られ、項垂れていた。

 甘やかしに甘やかせて、メイド、十二人は、異常だろう?

 それが、今は、俺のメイド……。

 勘弁してくれぇ……。

「ジャショウ様方!タオルを、冷やしておきました!これで、お体を、拭いて下さい♪」

「お水だけでは、素っ気ないと思い、レモン水を作りました!どうか、お飲みください♪」

「軽食は、クッキーなどで、よろしいでしょうか?ジャショウ様に、美味しいと言われ、また、頑張って作りました♪」

「お、おう……。皆、ありがとう。君達は、休みをもらったと思って、ゆっくりして良いのだよ?俺達は、大丈夫だから」

「「「いえ!頑張らせて頂きます!!」」」

「お、おう……」

 ネム達も、働き者だったが……。

 この世界のメイドも、働き者だなぁ。

 至れり尽くせりだ。

 俺は、優しく笑い、感謝を述べる。

 喜ぶ、メイド達……。

 そして、また、エミネとアポロニアに、頭を叩かれる。

 何故なのだ?

 俺は、ため息をつき、再び、訓練に。

 剣を握れば、鬼へと変わる。

 徹底的に、ソット達を、鍛え上げる!

 アーロンは、どうしているだろうか?

 魔力の目で、観察をする。

 リシャードに怒られ、鬼へと変わった、教官達に、徹底的に、しごかれている。

 疲れ、倒れれば、水を掛けられ、無理やり、訓練を行う。

 あれでは、体を壊すだけだ。

 三日と、もたぬだろうな……。

 そもそも、本格的な訓練を受ける、基礎体力が、出来ていないのだ。

 今のままでは、何をやっても、駄目だろう。

 この国の者達は、俺達の訓練を見て、何を学んだと言うのだ?

 やれやれ……。

 このままでは、アーロンは、潰れるだろうなぁ……。


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