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天翔雲流  作者: NOISE
問われる、勇者の在り方
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取り残される者……。

 取り敢えず、一週間、体力作り。それが終われば、実技の講習。そして、最後の一週間は、実戦で、成長を確認し、技を磨く。

 俺達にとっては、復習の様なものだ。

 汗一つ垂らさず、アスレチックゲームを、早々に終わらす。

 休憩に入り、ヤスミンが、紅茶の支度をしてくれるが、丁重に断り、

「お心遣い、感謝します。しかし、必要以上に、飲み食いしてしまえば、逆に、体の負担と成ります。もし、頼めるなら、飲料水と塩。あと、軽めの軽食を、次からは、用意してくれると、助かります」

 ヤスミンは頷き、後ろに下がる。

 俺達は、再び、塩を舐めながら、水を飲む。

 そして、いつも通り、弱点を指摘しあい、訓練へと戻る。

 アポロニアとアリエルは、俺達に倣い、急ぎ、訓練へと戻る。

 アーロンは、駄目だ……。

 そんな、俺達を無視し、ティータイムを、楽しんでいる。

 つくづく思う……。

 エレズが、勇者に成っていれば、こうなっていたのだろう……。

 二日目にして、アポロニアとアリエルは、この訓練に、順応した様だ。

 ふらつきながらも、アスレチックゲームを終わらせ、二人で、乱取りを始める。

 アーロンの馬鹿は、優雅に、口元を拭き、当然の様に、二人の乱取りに、加わろうとする。

 しかし、ソルトは、容赦しない!

 エレズの失敗から、彼もまた、多くを学んだのだろう。

 般若の形相で、

「お前はこっちだ!さっさと、ノルマをこなせ!!」

 それを聞き、アーロンもまた、怒りの形相で、

「失礼ですが、あなたは、何を勘違いしているのですか?今回の主催は、聖フィナゴールなんですよ!偉そうに、出しゃばって来て、勇者である俺に、指図しないで欲しい!!」

 この言葉で、ソルトが怒った!

 エレズを、思い出したのだろう。

 尋常では無い怒りで、

「国王陛下!あなた様の、頼みであったが故に、致し方無く、講師を務めておりましたが……。この様な者に、アルカディアの訓練を、学ばせる気には成れません!!この男の、望み通り、聖フィナゴール式の、訓練でも、すれば良いでしょう!!私は、一角を借りて、ジャショウ君達と、訓練を続けたいと思います!!」

 リシャードは、深々と、ため息をつく。

 米神を押え、

「あい、分った……。この者の無礼、重ね重ね、謝らせてもらう。ただし、アルカディアの訓練が、本物であると、儂は、確信しておる!今後の勇者達の為に、我が国も、それらを、取り入れる必要がある!東の訓練場を使うと良い。済まないが、学ばせてもらうぞ?」

「はっ!ルキウス様にも、了承を得ておりますので、それは、問題ありません!では、ジャショウ君達、東の訓練場に、場所を移すぞ!」

「「「はっ!!」」」

 俺達は、速やかに、東の訓練場へと、場所を移す。

 しかし、アポロニアとアリエルが、付いて来る。

 ソルトは、首を傾げ、

「君達は、向こうで、聖フィナゴール式の、訓練をするのだろう?」

 しかし、アポロニア達は、必死に首を振り、

「い、いえ!アーロンの、無礼の数々は、どうか、お許し下さい!私達は、アルカディアの訓練を、受けさせてもらいたいのです!」

「僕等は、ソルト様の命令を、しっかり聞き、訓練に励みます!どうか、一緒に、訓練させて下さい!」

「ふむ。分かった……。一応、国王陛下に、了承を、得て来てもらいたい。勝手に、他国の勇者を、鍛えたとあれば、また、問題に成るかもしれないからな……」

「「はっ!!」」

 二人は、満面の笑顔で、駆けてゆく。

 やれやれ……。

 エレズと同じで、アーロンも、一人、取り残されてしまうな……。


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