表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天翔雲流  作者: NOISE
混沌の中で咲く、一輪の花
1645/1794

終戦

 予想通りだ……!

 魔王が、ザンギバールに、現存する!

 俺は、悠然と歩き、魔王と対峙する。

「よう……。腹が減っている所悪いが、死んでもらうぜ?」

 魔王が、咆哮を上げる!

 俺は、涼やかな顔で、それを、受け流し……!

斬!!

 魔王の体が、ゆっくりと、二つに分かつ。

 俺は、背を向け、

「せめて、苦しまず死ね……!」

 魔巣が、光へと還る……。

 何度見ても、美しい光景だ。

 ベルトラム達が、残党を、駆逐してゆく。

 俺の下には、メイニルが駆け寄って、

「ジャショウ様!お疲れ様です!魔王の討伐、確かに、確認しました!」

「ん。キンブリアの方は、どうなっている?」

「まるで、地獄の様ですよ。妖魔は氾濫し。国王ベキラは、多くの財宝を持ち、北に逃走!しかし、財宝を持ち出した事が、仇と成って、妖魔に、食われたとの事です!現状、国として、機能していません!」

「愚かだな……。それで、エレズは、どうなった?」

「そちらも、既に、解決済みです!この惨状に、怒った民達が、エレズ一家を捕縛!ルキウス国王陛下の話では、処刑するとの事です!」

「漸くか……」

 エレズの悪運も、ここで尽きたか。

 キンブリアは、王が不在な上に、領土を、多く失った……。

 さて、どう動く……?

 数日後……。

 キンブリアの将が、数百の兵を従え、

「王は死に、勇者は、アルカディアに返した!我等は、降伏する!速やかに、兵を退いてくれ!!」

 占領した地も、返せと言うのか?

 虫のいい話だ。

 アタウルフは、声を張り上げ、

「兵なら、退いたであろう?ここより先は、ザンギバールの領地だ!貴様等こそ、さっさと立ち去れ!!」

「ここは、古くから、我等の領土であり、貴殿らは、誠に、戦争を始めると言うのか!?」

 今更、何を言っているんだ?こいつ等は……。

 俺は、冷笑を浮かべ、

「戦争なら、既に、始まっておろう?貴様らが、ニッサ村を襲った時、既に、戦争は、始まっていたのだよ!!」

 キンブリアの将は、震え、膝をつく。

 必死に、頭を下げ、

「頼む!ニッサ村を、襲った将は死んだ!王も逃亡し、無残に殺された!あの、狂った勇者も死ぬだろう!これ以上、我等に、出来る事は無い!どうか、矛を収め、我等の領土から、去ってくれ!!」

「それは、貴様等の、都合であろう?帰って、残された領土を、必死に守るのだな!」

「貴殿等は、あの地獄を、知らないのだ!最早、我等に、領土など無い!妖魔に蹂躙され、住める地など、もう、何処にも無いのだ!頼む!必ず、見返りは払う!領土を!領土を返してくれ!!」

 最早、子供の、我が儘だな……。

 やれやれ……。

 アルカディアの方から、撤退の狼煙が上がった。

 キンブリアは、生かさず殺さず……。

 精々、妖魔達の、防波堤に成ってもらおうか……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ