戦争の足音
はぁ……。
あの後、ルキウスからも、苦言された。
自分の立場を考え、他国と交流するとしても、ルキウス達に、相談しろと。
まあ、確かに、そうなんだが……。
過保護過ぎやしないか?
今回も、多額の報酬を貰い、一路、ニッサ村へ……。
ソルトが、付いて来ている。
まあ、一応、護衛と言う奴だ。
村へと帰り、ハラ婆さんに、報告する。
ハラ婆さん達は、険しい顔で、待っていた。
何かあったか?
ハラ婆さんは、俺の顔を見て、静かに頷く。
手紙らしきものを、ベルトラム達に、おもむろに手渡し、
「丁度、ソルト様も、来て下さった様だ。その手紙を、見てもらうと良い」
ベルトラム達の顔が、般若の形相に変わる。
そして、無言で、ソルトに手渡し、
「ふざけるな!俺達は、あいつの、物じゃねえ!!戦争したいと言うなら、徹底的に、ぶっ潰してやる!!」
ソルトもまた、その手紙を読み、般若の形相に変わる!
「あの屑!やはり、殺しておくべきだったか!!」
手紙の内容は、ふざけた物だった。
差出人は、あの、馬鹿エレズ……。
キンブリアで、勇者として、大成したから、今までの事を許す代わりに、ベルトラム達に、仲間に成れと言う。
もしも、仲間に成らぬと言うのであれば、今までの不敬に対する、制裁を下す!と。
ふむ……。
さて、裏で、糸を引いているのは、キンブリアの者達だな?
俺は、イヴ達と共に、キンブリアを探る。
軍を、招集している様だ。
どうやら、本気の様だな?
軍が、ここに到着するのは、恐らく、七日後……!
ソルトは、至急、王城に、知らせを走らす。
俺は、鼻で笑い、
「ソルト様……。キンブリアとは、戦争に成りますが……。よろしいでしょうか?」
「構わん!!徹底的に、殺すぞ!!」
さてと……。
ただの、羽虫だが……。
叩き潰してしまうとしようか……?




