この世界の、マナーが分からん!
「ジャショウよ!パーティーは、楽しんでおるか?」
「ん?ああ、シャミラ様。お陰様で、美味い料理を、堪能していた所です」
「そうか……。一つ聞くが、誰か、女子に、声をかけられたりしてはおらぬか?」
「はい?特に、その様な事は……。私は、こう言うパーティーに、あまり、出席した事が無いので、少し、浮いてしまっている様です」
「うむ。ジャショウは、別に、問題無いぞ!それより、女子に、声を掛けられていないなら、それで良いのじゃ!」
「良いのですか?」
「うむ!良いのじゃ!」
「はあ……」
シャミラは、満面の笑みで、俺の手を引っ張る。
「わらわは、あの料理が、好きなのじゃ♪」
「ははは……。では、私が、取らせて頂きましょう」
「うむ♪」
シャミラは、ニコニコ笑い、俺を、引っ張りまわす。
慌てて、駆け寄る、メイニル。
「シャミラ様!ジャショウさんは、余り、こう言うパーティーを、知らないのです!インスモーンの方々に、粗相をしては、大変ですから!どうか、余り、連れ歩かないで下さい!」
「良いでは無いか?誰にでも、初めてがある!わらわの前なら、失敗しても大丈夫じゃ♪わらわが、ちゃんと、フォローするからのう」
「王女様に、その様なご迷惑、おかけできません!」
ああ……。
姦しい、姦しい……。
俺は、シャミラとメイニルに、交互に引っ張られながらも、料理を堪能する。
ソルトは、アモスと、談笑している様だ。
何故か、火花が散っている様に見えるのは、俺の勘違いか?
やれやれ……。
賑やかな、お祭りだよ……。
面倒だと思っていた戦勝会も、美味い物が食えて、中々、面白かったじゃ無いか。
それだと言うのに、ソルトとメイニルは、げっそりと、やつれている。
俺は、首を傾げ、
「ソルト様達は、あのようなパーティーは、苦手だったのですか?随分と、やつれている」
二人が、俺を、ぎろりと睨む。
声を揃えて、
「「全部、あなたの所為です!!」」
「お、おう?」
「ジャショウ君!お願いですから、間違っても、シャミラ様と、結婚しないで下さいよ!」
「シャミラ様だけじゃありません!ジャショウさんは、周りの女性の感情に、鈍感すぎます!!」
「「どれだけ、私達が、フォローしたと思うのですか!!」」
「お、おう、済まん。知らない内に、粗相を働いていたか?この前、カリスからも、遊びに来て欲しいと言われたから、カリスに手伝ってもらって、練習しておく」
「「勘弁して下さい!!」」
「カリスって、王女カリス様の事でしょう?」
「絶対、一人で、行かないで下さい!!」
「し、しかし、苦手な事は、克服しなくては……」
「「良いから、ジャショウさんは、大人しくしていて下さい!!」」
「お、おう……。分かった……」
ソルトとメイニルが、怖すぎる。
ベルトラム達は、可笑しそうに、笑っているが。
何が、いけなかったのだろう?
やれやれ……。
これでも、それなりの場数を、こなして来たのだがなぁ……。
この世界のマナーと言うのが、俺には、良く分からん!
俺は、やつれ切った二人を見ながら、首を傾げる。
やれやれ……。
少し、大人しくしているかなぁ……?




