誰も死なせねぇ!!
「少し危険だが、真っ直ぐ、アルゴスを目指すぞ!」
「ああ!今の俺達なら、五日で、アルゴスに到着出来る!けれど、ヤファとアデナは、疲れたら、直ぐに言え!俺達の目的は、アルゴスに行く事では無い!魔王の討伐だ!」
「分かっています!私達も、ジャショウさんの背を追い、鍛え続けていたんです!まだ、スピードを上げる事が、可能です!」
「ヤファも、まだまだ、大丈夫……!」
ああ、俺は、この三人を、見誤っていた。
頼もしく育ったな……。
俺は、優しく笑い、
「なら、もう少し、スピードを上げるぞ!三人共、頼りにしているからな!」
「「「はい!!」」」
俺達の脚力は、馬車よりも速い!
俺達は、風の様に駆け抜ける!
ルキウス達も、異変に、気付いた様だ。
軍を、動かそうとしている……!
早まるな!ルキウス!!
ただの人では、倒せぬ敵ぞ!
俺は、人として生きると誓った俺を、激しく呪う。
それでも!
人として、生き抜くために、ルキウス達が、早まらぬ事を、心から祈ろう……。
俺達は、神速の速さで、アルゴスに到着する。
まだ、兵が集まらず、軍は、動いていないな!
急ぎ、王城へ!
門兵が、俺達の姿を見て、安堵の表情を浮かべる。
颯爽と敬礼し、
「国王陛下に、ジャショウ様達が来たと、急ぎ!報告します!!」
「ああ!時間が無い!急いでくれ!」
今回の敵は、ヤバ過ぎる!
人が戦って良い、存在では無い!
門が開かれ、俺達は、謁見の間まで、通される。
ルキウスは、大きく頷き、
「ジャショウ君!時間が無い!状況だけ説明する。五日前、突如、インスモーンの魔巣から、妖魔が溢れだした!その後、アルゴスの神官長が、慌て、私の下へ!神の啓示で、魔王と呼ばれる存在が現れ、地上は、焦土と化すだろう。それに対抗するには、君達の存在が、必要だと!私達は、急ぎ、兵を集め、インスモーンと共に、妖魔に対抗し。その間に、君達を、急ぎ、呼ぼうとしていた所だ!」
「ええ。俺も、ハラ婆さんと共に、インスモーンの魔巣の異常に、気が付き、ベルトラム達と共に、慌てて来たのです!ハラ婆さんの話では、激減した瘴気の中で、魔王が、瘴気を求め、地上へと、現れ様としている!ここで、妖魔を無暗に倒せば、魔王の現存が、早まってしまう処でした!我等も、軍に従軍し。魔王と戦います!」
「その話は、本当なのかい!?」
「どうか、されたのですか?」
「い、いや!我等に先立ち、インスモーンの軍が、妖魔を駆逐すると!明日にでも、戦闘が、始まってしまう!!」
「くっ!?ベルトラム!ヤファ!アデナ!俺達は、決死の覚悟で、戦地に向かうぞ!!休む暇も無いが、大丈夫か?」
「おう!まだまだ、俺達は、余裕だぜ!!」
「ヤファも、丁度、体が温まって来たところ……!」
「ジャショウさん!私達は、大丈夫です!急ぎ、インスモーンに向かいましょう!」
「済まない……!」
俺は、今一度、ルキウスの方を向き、大きく頷く。
魔王を、倒せるかなどと言う、心配はしていない!
問題は、時間との勝負だ!
気配を探ったが、戦場には、アモスだけでは無い!シャミラも、出陣している様だ!
だれも、死なせねえ!
先ずは、一匹……!
害虫を、駆除してやるとしようか……!




