ベルトラム家
「ジャショウ様!家の、愚息の目を覚まさせてくれた事、誠に、感謝します!」
少し早いが、約束通り、ベルトラムの家へと来た。
俺の前で、頭を下げるは、ベルトラムの両親達。
俺は、慌て、
「い、いえ!ベルトラムは、自分で必死に考え、立派な戦士に成ったのです!俺は、大した事を、やっておりません!ベルトラムは、必死に考え、あなた達の強さを、知ったのでしょう。今のベルトラムが居るのは、両親である、あなた達の、優しさと、強さの、賜物ですよ」
「そう言ってくれますか……。はぁ……。エレズ君の両親には、悪いですが……。最初から、愚息の側に、ジャショウ様が、居てくれれば……」
父親は、ため息をつき。母親は、涙を流す。
俺を、食卓に招き、
「大した物は、出せませんが。いっぱい、食べて行って下さいね」
暖かな家族だ……。
俺は、出された料理を食べて、にっこり笑う。
「おばさん!とても美味しいです♪俺、腹が減っていますから、いっぱい、食べさせてもらいますね♪」
ベルトラムの両親が、嬉しそうに笑う。
ベルトラムが、照れ臭そうに笑い、
「わりいな、ジャショウ……。親父達の我が儘に、付き合ってもらって」
「何言っているのだ?良い両親じゃないか!親の居ない俺には、羨ましく思うぞ!これからは、両親を大切にし。しっかり、親孝行するのだぞ」
「へへへ……。分かっているよ。もう、親父達を、泣かせたりしねえ!俺は、俺の出来る事を精一杯やって、親父達や村の皆を、助けると誓ったんだ!」
「あははは!その意気だ!怒ってくれて、一緒に謝ってくれる両親を、大切にしな♪」
ベルトラムの両親が、満面の笑みで頷く。
おや?
そんな光景を、窺う者がいるな?
俺は、隣の部屋から、こちらの様子を窺う、少女の姿に気づく。
俺は、にっこり笑い、手招きしてやる。
少女は、不安そうな顔で、俺の下へやって来て、
「お兄ちゃんが、本当の、勇者様だったの……?」
この子は確か……。
孤児院の子達と一緒に、遊んであげた事があったな。
俺は、にっこり笑い、首を横に振る。
「確か、ラームちゃんだったよね?」
「うん!覚えていてくれたの?」
「勿論♪一緒に遊んだ、お友達だからね♪」
ラームは、ニコニコ笑い、俺の横に座る。
俺の服を引っ張り、
「お父さん達が、勇者が来るって言ったから、また、意地悪な、あの勇者が来ると思ったの。でも、お兄ちゃんだった♪お兄ちゃんが来るんだったら、私も、一緒に、ご飯食べたい!」
「あははは!ラームちゃんは、お母さんの料理で、どれが、一番好きなのかな?」
「あの、お肉の奴♪」
俺は、ラームの頭を撫で、小皿に、料理をよそってあげる。
ニコニコ笑うラーム。
料理を食べながら、
「お父さん、お母さん、私、このお兄ちゃん好き♪とても優しくて、面白いんだよ♪お兄ちゃんが、来るって言ってくれれば、私も、一緒に、ご飯を食べたのに!」
「ははは……。ラームは、勇者と聞いて、エレズ君だと思ったのか。今の勇者は、このジャショウ様だよ」
「やっぱり、お兄ちゃんが、勇者だったんだね♪強いし、優しいし、カッコいいもん♪皆、お兄ちゃんが、本当の勇者だって、言っていたんだよ?どうして、言ってくれなかったの?」
俺は、子供の、純粋な質問に、戸惑ってしまう。
しかし、ベルトラムの両親が、代わりに、
「ジャショウ様は、自分が、勇者だからと、威張らないんだよ」
「そうですよ。ラームも、沢山、遊んでもらったのでしょう?その時、勇者だと威張って、誰かを、虐めていたりしていましたか?」
「ん~ん!お兄ちゃんは、どんな時も笑顔で、私達と、遊んでくれたよ?ちっちゃい子達は、おんぶしてもらったり、抱っこしてもらったり。私も、一度、おんぶしてもらったよ♪おんぶしてくれて、凄い速さで、走ってくれるの♪とっても、面白かった♪」
「そうか、そうか!ラームも、ジャショウ様に、沢山、遊んでもらったのだな!」
「うん♪昨日も、村に、新しく来た子達も集めて、これからは、皆、友達だから、仲良くするんだよって言って、鬼ごっこして、遊んだの♪とっても、面白かった!」
「そうか、そうか」
お腹が減っていたのだろう。
ラームは、モリモリ食べて、嬉しそうに、両親達に、俺の事を話す。
少し、気恥ずかしいな……。
ラームは、ニコニコ笑い、俺の服を引っ張り、
「ラーム達、もっと、お兄ちゃんと遊びたい!」
俺も、子供達と、遊んでいたいのだが……。
俺は、ラームの頭を撫で、
「もう少し、待っていてくれなぁ。新しいお友達達が、安心して暮らせる家を、作ってあげないと。お家が出来たら、また、皆で、いっぱい遊ぼう」
「うん♪」
ははは!
ベルトラムと一緒で、素直で良い子だ。
ベルトラムの両親は、笑顔で喜ぶ。
さて、明日からも、頑張るとしようか……。




