新たな理解者
「ジャショウ様!」
カリスも、無事な様だ。
俺は、にっこり笑い、
「王女カリス様も、ご壮健のようで何よりです。アタウルフ様も、無事に、王都ゴランを奪還した事、心より、お慶び申し上げます」
二人は、にっこり笑い、力強く頷く。
俺は、アタウルフに、酒瓶を見せる。
満面の笑みの、アタウルフ。
さて、謁見を始めるか……。
王女カリスは、ソルトに向かい、
「先ずは、我が国の不徳により、アルカディアには、多大な迷惑をかけました。心より、謝罪させて頂きます。そして、勇者ジャショウを使わせ、道を切り開いてくれた事、誠に、感謝いたします。そうだと言うのに、戦後も、多大な援助をしてくださり、もう、言葉が見つかりません!ルキウス国王陛下には、カリスが、感謝していたと、お伝え下さい!」
「はっ!ザンギバールとアルカディアは、友好国であります!我が王も、何かあれば、頼ってくれるよう、言っておりました!この程度の物資では、雀の涙にもなりませんが、お納め下さい!警戒されると、困りますので、ハッキリ申し上げます!我等の関係は、対等です!アルカディアに、ザンギバールを、従属させる意思はありません!安心して、お納めください!」
「ふふふ……。最も、私達を、助けてくれたアルカディアが。最も、紳士的とは……。アタウルフ。今でも、アルカディアが、我等を臣従させると、考えますか?」
カリスの質問に、アタウルフは、頬をかき、恥ずかしそうに笑う。
「アルカディアには、大変、失礼した!他の二国の対応で、我は、気が立っていたのだ。ソルト殿、ジャショウ殿、どうか、許して欲しい」
ソルトが笑う。
「気に為さる必要は無い!同じ武人として、アタウルフ殿の心境も、理解しているつもりです。逆に、アルカディアを利用し、キンブリアと聖フィナゴールを、牽制しては如何でしょうか?驕る訳では、ありませんが。最も戦いに参加した、アルカディアが、謝礼を要求せず、物資を送って来た。そう言えば、他の二国は、何も言う事が、出来ないでしょう。勿論、我等にも、メリットがあります。諸国の人気を、得られますから。ここまで言えば、アタウルフ殿達も、意味が分かりましょう?今、世界は、微妙なバランスで、保たれております。我が国は、ここに居るジャショウ殿のお陰で、良くも悪くも、目立っております。どうか、ご理解頂けるよう申し上げます」
「確かにな……。ジャショウ殿の戦いを見て、震撼させられた!アルカディアが、その力を以て、他国を侵略する意思が無いと、理解してもらう必要がある!それなれば、謹んで、援助を受けさせて頂く。誠に、感謝する!」
こうして、インスモーンに続き、ザンギバールが、アルカディアの理解者と成った。
カリスが、にっこり笑う。
「ささやかですが、宴の準備をしました。ソルト様、ジャショウ様。どうか、今宵は、楽しんで行って下さい」
「「はっ!感謝いたします!」」
やれやれ……。
しばらく、滞在する事に、成りそうだな……。




