こりゃあ、見張りだな……。
アルカディアに、ザンギバールから、使者が来る。
ニッサ村に立ち寄り、
「勇者ジャショウ様!あなたのご助力により、我が国は、再び、王都ゴランを、奪還出来ました!」
「そうですか……。ザンギバール再興、おめでとうございます。カリス様や、アタウルフ様にも、よろしくお伝えください」
「ええ!勿論です!私達は、一度、ルキウス国王陛下に、謝罪と、ジャショウ様を使わせてくれた事を、お礼せねばなりません。どうか、その後、我が国に来ては、くれないでしょうか?カリス様達も、直接、ジャショウ様に、お礼が言いたいと!」
「私は、大した事は、やっておりませんよ。王女カリス様には、よろしくお伝えください」
「いやいや!アタウルフも、ジャショウ様に対し、失礼であったと、言っております。どうか、一度、王都に、お越しください」
「はあ……。お心遣いに感謝して、ゴランへと、伺わせて頂きます」
使者は、何度も頭を下げ、行ってしまった。
さてと……。
俺は、仕事に、もどるかねぇ……。
ザンギバールの使者が、アルカディアの首都、アルゴスへ向かって、二週間が過ぎた。
多くの物資と共に、ソルトと共に、ニッサ村に来たのは、その後の事だ。
使者は、満面の笑みで、
「アルカディアの国王陛下は、誠、徳の高い人物だ!我が国の民を気遣い、謝礼を求めるどころか、援助して下さった!ジャショウ様!どうか、ソルト様と共に、ゴランへと、お越し下さい!」
やれやれ……。
やはり、行かざるおえないか……。
俺は、ニルに、酒瓶を手渡され、馬車に乗り込む。
ソルトも、俺の横に、馬を寄せ、ウインクする。
こりゃあ、見張りだな……?
俺が、ザンギバールに、仕官しない為の。
面倒だが、仕方が無い。
ザンギバールに、向かうとしようか……。




