まず一歩……!
バルト城攻略……。
バルト城の上には、巨大なドラゴンが、鎮座する。
人々が、俺に向ける、期待の眼差し。
妖魔達は、飛び込んできた餌に喜び、バルト城から、溢れ返る。
鬱陶しい、羽虫だ……!
俺は、優雅に、舞を舞う。
妖魔達が、次々と死に。ついに、巨大なドラゴンが、咆哮を上げ、俺に襲い掛かる!
俺は、微笑を浮かべたまま、
「トカゲ風情が……!」
ドラゴンの翼が寸断され、大地に堕ちる!
俺は、涼しい顔で、すれ違いざまに、ドラゴンの首を斬りおとす!!
崩された城壁……。
壊された城門……。
ここを、拠点とするのであれば、直す必要があるな……。
万物修繕で、直してしまいたいが……。
今の俺は、一応、ただの人間だからなぁ……。
そこら辺は、ザンギバールの民に任そう。
俺は、城門を潜り、悉く、妖魔を殺してゆく。
玉座まで辿り着き、その前で、跪く。
遅れて、カリス姫が、到着する。
ヒルデリックは、カリス姫を、玉座に座らせ、
「カリス姫様……。いや!王女カリス様!勇者ジャショウ様に、労いのお言葉を」
王女カリスは、静かに頷く。
俺の方を向き、
「面を上げて下さい。私は、死を覚悟しておりました。しかし、あなた様の活躍で、私達は、偉大な一歩を、歩む事が出来ました!どうか、王都ゴランの奪還まで、お力を、お貸し頂けるよう、この場を借りて、お願い申し上げます」
「はっ!」
俺は一礼し、力強く応える。
そして、立ち上がり、颯爽と歩きだす。
「では、ここ等一帯の妖魔を狩り、安全を確保します!カリス様も、お疲れに成られたでしょう?お休みに成られるよう、具申させて頂きます」
さてと……。
カリスも言っていたが……。
第一歩を、踏み出す事が出来た。
先ずは、ここから……!
村々を開放し、王都ゴランへの道を、切り拓いていかなくてはな……。




