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天翔雲流  作者: NOISE
混沌の中で咲く、一輪の花
1615/1794

この先に行方

 予想通りか……。

 ザンギバールは、キンブリアに、援軍を要請して、多額の金を請求され、怒りを露わにし、聖フィナゴールに、救援を求めた。

 正直、聖フィナゴールも、難色を示した。

 自国の防衛で、多くの血を流し。その上、得るモノの少ない戦い。更に言うと、全ての元凶は、ザンギバールにある。

 結局、積極的な救援は、得られる事が、出来なかった様だ。

 勇者も送らず、形だけの援軍……。

 混乱は、収束する事無く、多くの血が、流れ続けている。

 ザンギバールの首都は、壊滅状態。

 完全に、国は、崩壊した……。

 その頃に成り、漸く、アルゴスから、軍が、ニッサ村に到着する。

 軍を指揮するは、ソルト自らか。

 俺達の、築き上げた、妖魔の屍の山を見て、

「やはり、ジャショウ君達は、万夫不当の豪傑か!これより先は、我等が、ニッサ村を守り、アルカディアを守る!陣を敷き、兵を展開させろ!国境を封鎖し、事態の収束を見守るぞ」

 兵達が、速やかに、行動に移る。

 これで、漸く俺達も、一息つけると言う事か。

 ベルトラム達は、気が抜けて、その場にへたり込む。

 俺もまた、深く息を吐き、

「ソルト様……。魔巣は、落ち着いております。大規模な戦闘は、起こらないでしょう。しかし、警戒は続け、ザンギバールの動向も、注意して下さい。どうやら、キンブリアと聖フィナゴールの二国は、役に立たない様です。必ず、アルカディアに、頼って来るでしょう」

「そうであるか……。ジャショウ君が言うのであれば、そうなるのだろうな……。君達は、今は休み、その時を待ってくれ!」

「畏まりました。では、我等は、お言葉に甘えて、少し、休ませて頂きます。流石に、少し疲れました……」

「ふふふ……。ジャショウ君でも、疲れる事があるのだな」

「一応、私も、人間ですから……」

 さて、ザンギバールは、この後、どう動くか……?

 聖フィナゴールも、自領の側の妖魔を倒しただけで、撤退した様だ。

 恐らく、アルカディアに、助けを求めに、やって来るだろうなぁ……。


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