束の間
俺は、静かに息を整え、ニッサ村に戻る。
シスター・アネスが、子供達と共に、俺の下へと、駆け寄って来る。
俺は、静かに笑い、
「怪我は無かったか……?」
子供達の安否を気遣い。今度は、ベルトラム達の方を向く。
「まだ、一日目だが、大丈夫そうか?」
ベルトラム達は、力強く頷く。
「まだ、俺達はやれる!ジャショウこそ、余り、無理をするな!もう少し、俺達にも、任せてくれても良い!」
「ああ、頼りにしているよ……。ベルトラム達が居るから、俺は、後ろを振り返らずに、戦う事が出来るんだ」
俺は、優しく笑い、皆を、勇気づける。
ニルが、駆け寄って来て、
「ハラ婆さんが、明日の七時までは、何とか、結界を維持するって!その後は……」
「大丈夫だ……。また、俺達が、戦いますよ……。それより、ハラ婆さんに、余り、無理をしない様に、伝えて下さい」
「あんたの戦いの方が、一番無茶だよ!あまり、無理をするんじゃ無いよ?」
「ははは……。まだまだ、やれます!王都での訓練は、厳しかったですから。荷物持ちの私は、大変でしたよ♪」
「何言ってんのさ?あんたの事だから、笑いながら、訓練受けてたんだろう?確かに、エレズの坊やじゃ、あんたの代わりは、出来ないわねぇ」
村人達が、集まって来る。
妖魔の血で汚れた俺を、女衆は、かいがいしく拭き、清めてくれる。
男達もまた、
「夜は、儂等が、見張りをするから、ゆっくり、休んでおくれ!」
最初に会った、門兵達も、必死に槍を、磨いたのだなぁ。
皆、一端の、戦士の様だ。
孤児院の子供達が、俺の手を引っ張る。
「ジャショウお兄ちゃん!今日は、リアノン達と、一緒に寝よう♪」
俺は、優しく笑い、笑顔で頷く。
大人達の方を見て、
「何かあったら、直ぐに、知らせて下さい!皆、必ず、生き残りますよ!」
皆、笑顔で頷く。
「やっぱ、おんしが、勇者なんじゃのう」
「ジャショウ達が、居てくれるだけで、勇気が湧いて来る!」
「そりゃあ、そうだろう!俺の息子だもん!」
ゲルメルが、村人達を押しのけ、俺の肩に、手を回す。
村人達は、大声で笑い、
「馬鹿言え!お前の息子が、こんな、立派な勇者の筈が無い!」
「ジャショウは、この村の子供じゃ!」
「そうじゃ、そうじゃ!儂ら皆の、子供じゃよ!」
やれやれ……。
元気の良い、両親達を、持ったものだ。
これじゃあ、益々、死なせる訳には、いかないな!
俺は、深く息を吐き、
『イヴ、リース!済まないが、俺も警戒するが。俺の寝ている間、索敵を頼む!』
『任せて下さい♪』
『リースも頑張る!』
こんな状況ではあるが……。
久々に、子供達と一緒に、ゆっくり休むか……。




