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天翔雲流  作者: NOISE
混沌の中で咲く、一輪の花
1612/1794

束の間

 俺は、静かに息を整え、ニッサ村に戻る。

 シスター・アネスが、子供達と共に、俺の下へと、駆け寄って来る。

 俺は、静かに笑い、

「怪我は無かったか……?」

 子供達の安否を気遣い。今度は、ベルトラム達の方を向く。

「まだ、一日目だが、大丈夫そうか?」

 ベルトラム達は、力強く頷く。

「まだ、俺達はやれる!ジャショウこそ、余り、無理をするな!もう少し、俺達にも、任せてくれても良い!」

「ああ、頼りにしているよ……。ベルトラム達が居るから、俺は、後ろを振り返らずに、戦う事が出来るんだ」

 俺は、優しく笑い、皆を、勇気づける。

 ニルが、駆け寄って来て、

「ハラ婆さんが、明日の七時までは、何とか、結界を維持するって!その後は……」

「大丈夫だ……。また、俺達が、戦いますよ……。それより、ハラ婆さんに、余り、無理をしない様に、伝えて下さい」

「あんたの戦いの方が、一番無茶だよ!あまり、無理をするんじゃ無いよ?」

「ははは……。まだまだ、やれます!王都での訓練は、厳しかったですから。荷物持ちの私は、大変でしたよ♪」

「何言ってんのさ?あんたの事だから、笑いながら、訓練受けてたんだろう?確かに、エレズの坊やじゃ、あんたの代わりは、出来ないわねぇ」

 村人達が、集まって来る。

 妖魔の血で汚れた俺を、女衆は、かいがいしく拭き、清めてくれる。

 男達もまた、

「夜は、儂等が、見張りをするから、ゆっくり、休んでおくれ!」

 最初に会った、門兵達も、必死に槍を、磨いたのだなぁ。

 皆、一端の、戦士の様だ。

 孤児院の子供達が、俺の手を引っ張る。

「ジャショウお兄ちゃん!今日は、リアノン達と、一緒に寝よう♪」

 俺は、優しく笑い、笑顔で頷く。

 大人達の方を見て、

「何かあったら、直ぐに、知らせて下さい!皆、必ず、生き残りますよ!」

 皆、笑顔で頷く。

「やっぱ、おんしが、勇者なんじゃのう」

「ジャショウ達が、居てくれるだけで、勇気が湧いて来る!」

「そりゃあ、そうだろう!俺の息子だもん!」

 ゲルメルが、村人達を押しのけ、俺の肩に、手を回す。

 村人達は、大声で笑い、

「馬鹿言え!お前の息子が、こんな、立派な勇者の筈が無い!」

「ジャショウは、この村の子供じゃ!」

「そうじゃ、そうじゃ!儂ら皆の、子供じゃよ!」

 やれやれ……。

 元気の良い、両親達を、持ったものだ。

 これじゃあ、益々、死なせる訳には、いかないな!

 俺は、深く息を吐き、

『イヴ、リース!済まないが、俺も警戒するが。俺の寝ている間、索敵を頼む!』

『任せて下さい♪』

『リースも頑張る!』

 こんな状況ではあるが……。

 久々に、子供達と一緒に、ゆっくり休むか……。


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