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天翔雲流  作者: NOISE
混沌の中で咲く、一輪の花
1610/1793

成長

 俺達は、馬車に乗り、ただひたすらに、ニッサ村を目指す。

 確かに、この一か月の成果は、顕著に表れていた。

 徘徊する、妖魔の姿が少ない。

 俺達の進路を、邪魔する者は居なく。七日間、馬車に揺られ、ニッサ村へと、到着した。

 俺達は、急ぎ、ハラ婆さんの下へ!

 村人達が、全員、広場に集まっていた。

 俺は、ハラ婆さんと、顔を見合わせ、大きく頷く。

 俺が、口を開こうとした時、ベルトラムが、神妙な顔で、前に出る。

 一同の顔を見回し、膝をつき、

「ハラ婆さん!そして皆!俺は今まで、自分の行動で、周りに、どれだけ迷惑をかけていたか、考えもしなかった!許してくれとは言わない!それでも!すみませんでした!!俺は、ジャショウ達のお陰で、漸く分かった!村の皆に、守られていた事!助けられていた事を!今度は、俺が、ジャショウ達と共に戦い、皆を守る!命を賭けて、守って見せる!本当に、すみませんでした!!」

 一同が、目を見開く。

 プライドの高い、ベルトラムが!

 粗暴で、決して、頭を下げなかった、ベルトラムが!

 涙を流し、膝をつき、首を垂れている!

 ハラ婆さんが、大きく頷く。

「ベルトラム……。お主は、強くなったのじゃのう……。心から、頼りにしておるぞ」

 ニルが、満面の笑顔で、ベルトラムを、立たせる。

「まったく!調子が狂っちまうよ!あんた、ハラ婆さんの言う通り、強くなったんだねぇ!しっかり、私達を、守っておくれ!」

 他の村人達も、笑顔で、ベルトラム達を、応援する。

 涙を流し、何度も頷く、ベルトラム。

 ニルが、俺の方を見て、にっこり笑う。

「あんたは、大した男だよ!エレズの坊やは、駄目だった様だが……。あんたが、代わりに、守ってくれるんだろう?この村にまで、あんたの雄姿が、聞こえて来ていたよ!」

「ははは……。ベルトラム達のお陰です!俺も、ベルトラムの言った通り、命懸けで、この村の人達を、守りたいと思います!」

「相変わらず、良い男だねぇ……。頼りにしているよ?」

「はい!」

 さて、何とか間に合った!

 アルカディアの使者は、ザンギバールに、追い払われた様だ。

 なんとしても、四人で、この村を、守って見せるぞ……!


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