閑話 どこへ向かうか……?
「名無しよ……。黄泉の国も、騒がしくなったのう」
「ええ、天と地を、分かつと言っておりました。ゆえに私に、あまり、悪人の魂を、食べぬ様に、言って来ましたよ」
「若造達が、西の大陸の神達に、そそのかされた様じゃのう……。我等に代わって、悪人を裁き。人の輪廻に、干渉すると言う」
「ははは……。私も、輪廻転生を、勧められましたよ。地獄でも天国でも、手に余ると。私は、生まれ変わったら、何に成るのでしょうか?」
「そうな事を、考える必要は無い!名無しは、わらわと、永遠に、供に居るのじゃ!」
「分かっております。私は永遠に、イザナミと一緒ですよ」
「うむ。その通りじゃ!わらわの側を、離れるでないぞ?」
「仰せのままに。お姫様♪」
「姫……。か、からかうでない!若造共の戯言など無視し、今日も、魂を、食べに行くぞ!」
「ははは……。閻魔と言う人が、また、泡食って、怒ってしまいますよ」
「知った事ではない!わらわの国を、汚す輩は、お主の力に成れば良いのじゃ!」
名無しは笑う……。
イザナミも、笑顔を見せる様に成った。
人が、この地に、秩序をもたらした時、自分は、イザナミを連れて、何処へ向かうか?
漠然とした、不安を覚えながらも、何時までも、イザナミを守ろうと、心に誓い、儚く笑い、空を見上げた……。




