表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天翔雲流  作者: NOISE
現実と妄想の狭間で
1594/1794

閑話 憎しみの先に……。

 セラフィルは、自分の世界、ローセファールを見つめる。

ギリッ!

 ただ一人、怒りの表情を浮かべた。

「やはり、お主は、人すらも、許しておらなかったか……?」

 老齢の男が、セラフィルの横に立つ。

 ローセファールの、第一世代の神、ヨルシュルーム。

 セラフィルは、怒りを隠さず、

「侵略者の人間など、皆、死ねば良いのだ!ローセファールに、異分子は必要ない!」

「その為に、真理を与えず、魔巣を、近くに召喚させた……。考えを改めよ!セラフィル!!人間に、罪は無い!我が世界の民として、あの者達も、救うのだ」

「私とて……。私とて、頭では、分かっております!しかし、あの、身勝手な、侵略者達を思い出すと、許せないのです!ふっ……。いや、今の話は、忘れて下さい。関係の無い、ジャショウ様が、私達に代わって、人間達を、救い始めている……。我々も、何か、考えなくてはいけませんね」

「うむ。その通りじゃ。エステカ殿とも話したが……。我等の世界を、大きくする事とした。今のお主達であれば、十分、管理出来よう」

「あなた達は、戻ってこないのですね……?」

「ふっ……。儂等は、お前達に、追いやられた者達じゃ……。今更、甘えるでない!」

「ふふふ……。若気の至りと、許しては、くれませんか……」

「自然の摂理……。神が、代わる事は、儂等とて、心得ておる。恨んでなどおらぬよ?だから、お主も、決して恨むな!異神と対抗するには、人の信仰を、お前達は、必要とする。理を、忘れるでないぞ?」

「ままならぬものですね……」

「それが、我等の世界じゃ……」

 セラフィルの心に、憎しみが消えて逝く。

 その代り、後悔、無念……。

 雄大な、第一世代の神の背を見送り、静かに、ため息をついた……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ