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天翔雲流  作者: NOISE
現実と妄想の狭間で
1593/1794

意地でも俺は、ニッサ村に帰ってやる!

「勇者様!我が国の民を守ってくれて、ありがとうございます♪」

 玉座の上には、満面の笑顔の、シャミラの姿が……。

 年相応の笑顔を見せ、お礼を、言ってくれる。

 俺もまた、にっこり笑い、

「シャミラ様……。どうか、立派な、王女と成って下さい。我がアルカディアは、インスモーンの、友好国であります。色々とありましたが、これからも、手を取り合い、共に、発展してゆきましょう」

「うむ♪ジャショウよ。また、遊びに来てくれるか?」

「また、使者として、訪れる事がありましたら、その時は、よろしくお願いします」

「使者じゃなくても、遊びに来て欲しいのじゃ!お主は、怒ると怖いが、間違った事は言っておらん!強くて、本当は優しいから、わらわは、大好きじゃ♪」

「勿体無きお言葉……。それでは、我が国王ルキウスに、報告しなくては為らないので、御名残り惜しいですが、これにて、帰らせて頂きます」

「うむ!必ず、遊びに来るのじゃ♪待っておるぞ?」

「はっ!」

 さて……。

 これにて、任務完了!

 さっさと帰って、あのおっさん達に、報告するか……。



 王都アルゴス、謁見の間……。

「ジャショウ・シルフィール!ただ今、任務を完了し、帰還しました」

「う、うむ!ご苦労であった!」

 ルキウス達の、驚きの顔を見ながら、俺は、すました顔で、

「まあ、影を追従させていましたから、大体の事は、国王陛下達の耳にも、届いているでしょう?詳しい内容は、共に行った、メイニルにお聞き下さい。各国が、注目していた戦い。恐らく、アルカディアの威光は、守られた筈です。私からの報告は以上!下がらせて頂きます!」

「ま、待ちたまえ!!」

「はあ?何かありましたか?」

 余り、若気の至りを、突かれたくないのだが……。

 メイニルは、ソルトに呼ばれ、詳しい内容を、聞かれている。

 ルキウスは、真剣な顔で、

「影からの報告によると、ただ一人、万を超える妖魔を、倒したと言う。その中には、ドラゴンクラスも!我が国の、超一流勇者パーティー数十組と、同等の力。いや!それ以上の力が、君にはあると、影が、興奮しながら、報告してきた!誠、君は、国に仕える気は無いのか?」

「はぁ……。何度も、言っているでしょう?国の中枢で、働く気はありません!私は、ニッサ村を、守ると決めたのです!ニッサ村が、アルカディアに在ると考えれば、まあ、国に仕えていると言っても良いですが……。まあ、約束通り、一か月後には、ニッサ村に、帰らせて頂きますよ?」

「いやいやいや!もっと、こう……。頑張らない?世界の平和を守るんだぁ!って!!君達ぐらいの年齢なら、そう言う、大志、抱いたりしない?」

「はあ……?私はただの、荷物持ちですから……」

「そう言うの、もう、良いから!エレズの我が儘聞いて、ジャショウ君に、荷物持ちをやらせた事は、謝るから!!もっと、頑張ろうよ!!」

「いや、別に、恨んでいませんよ?勇者としての活動を、やれと言うのであれば、ニッサ村からでも、多分、出来るでしょう?何かあったら、連絡して下さい」

「はぁ……。律儀と言うか、何と言うか……。ジャショウ君は、強情だねぇ……」

「はあ……?」

 後、一か月……。

 意地でも、俺は、ニッサ村に、帰ってやる!

 はぁ……。

 孤児院の子供達、元気にしているかなぁ……?


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