阿呆の子エレズ
訓練が終わり、また、エレズが、食って掛かる!
面倒な男だ。
互いの成長を、喜び合う、俺達を、蔑む様に見て、
「君達は、分っているのかなぁ?君達が、自信を失わない様に、僕は、手加減してあげたんだよ?その上で、鍛えてあげようとしたのに!全てを、台無しにするなんて、最低な行為だ!折角の、成長のチャンスを、みすみすふいにするなんて、君達は、勇者でありながら、愚かな人間だなぁ」
相変わらず、馬鹿な奴だ。
ソットもエミネも、鼻で笑う。
「休んでばかりの、あなたに合わせていたら、時間の無駄よ」
「休憩するなら、隅の方で、静かにしていて下さい」
二人の言葉に、再びエレズは、怒りを露わにする。
「訓練と言うのはね!ただ、がむしゃらにやれば良いと言う訳じゃ無いんだ!あの教官は駄目だ!うん!駄目な教官だ!適度な休憩を入れ、考える時間も、作る必要がある!」
「はぁ……。休憩だったら、ちゃんと有ったじゃ無いの?」
「これ以上、休憩を増やされても、訓練に成りませんよ」
阿呆の子、エレズ……。
ソットとエミネは、呆れた顔で、エレズに、背を向ける。
やれやれ……。
これが、一週間……。
これ以上、エレズが居ても、邪魔なんだがなぁ……。
俺達三人は、エレズを残し、宿泊室へと戻る。
まだ、俺の座学に、付き合ってくれる様だ。
他の子達も、一足早く、俺の部屋へと、集まっている。
やれやれ……。
本当に勤勉で、可愛い子達だよ……。




