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天翔雲流  作者: NOISE
現実と妄想の狭間で
1578/1794

皆、成長したなぁ……。

 ソット達が、山を登ってゆく……。

 昨日以上に、隙が無く。上手く、気配を殺しているな。

 最低限の戦闘で、僅か、三十分足らずで、山頂へと、到着した様だ。

 山頂から、狼煙が上がる。

 エミネが、俺の方を見て、力強く、頷く。

 妖魔達が、ざわつき始めた様だ。

 エミネのパーティーは、山道を迂回し、公約通り、上手く、妖魔を攪乱している。

 こちらも、三十分足らずで、山頂に到着する。

 俺は、狼煙を確認し、ソルトの顔を、一度見て、行軍を開始する。

 お膳立ては、前を行った、二パーティーが、用意してくれた。

 妖魔が、三か所に、分散している。

 俺は、ベルトラム達の方を向き、小さく頷く。

 今、動いている、全ての妖魔を狩る!

 仲間の死体の周りを、徘徊するゴブリン達。

 俺とベルトラムが、鮮やかな手並みで、次々と、倒してゆく。

 ヤファとアデナもまた、俺の教えた、体術を駆使し、前線を潜り抜けたゴブリンを、いとも容易く、倒してしまう。

 慢心する訳じゃ無いが、楽勝だな。

 活発に動いていた、妖魔を片付け。俺達は、息切れ一つする事無く、山頂に、到着する。

 ソットとエミネが、拳を握る。

 俺は、その拳に、拳を重ねる。

 このメンバーなら、既に、オーガクラスでも、問題なく、対処できるな。

 俺は、優しく笑い、

「皆、強くなったな……」

「馬鹿!あんたに言われても、嫌味にしか聞こえないわよ!」

 エミネは、照れ臭そうに笑いながら、悪態を垂れる。

 ソットは、素直に喜び、

「ジャショウさん!ありがとうございます♪」

 俺達、三パーティーは、互いの成長を、喜び合う。

 俺は、大きく頷き、

「さて!ソルト様に、報告するまでが任務だ。気を引き締めて、下山を済まそう!」

「「「はい!!」」」

 やれやれ……。

 今度こそ、明日からが、本番だ……。

 この子達の、成長を見守れるとは、村から出たのも、悪い事ばかりでは無いな……。


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