表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天翔雲流  作者: NOISE
現実と妄想の狭間で
1574/1791

狂った勇者

 念の為に、俺達とエレズの宿泊場所は、別棟と成った。

 それだけの、処置をしたと言うのに……。

「おい!ここを通せ!僕は、勇者なんだぞ!」

 エレズは、俺達の宿泊室まで、押しかけて来た。

 奴の暴走が、どんどん、酷くなってゆく。

 騎士達に、取り押さえられながらも、俺達に気づき、

「おい!お前達!今なら、許してやる!僕と一緒に、勇者パーティーを、再興しよう!」

 ベルトラム達の、嫌そうな顔。

 エレズを一瞥し、俺の部屋へと、入ってゆく。

 激昂するエレズ。

 王命を無視し、何をやっているんだ?あいつは……。

 全員が、俺の部屋へと入り、盛大なため息をつく。

「あいつ、頭、おかしいんじゃねえか?」

「まさか、王命すらも、理解出来ないとは」

「ヤファ……。エレズ嫌い……」

 俺は、苦笑し、三人の為に、ココアを淹れてやる。

 そして、諭す様に、

「なるべく、関わらない様にしよう。相手にしてしまえば、逆に、あいつを、つけあがらせる事に成る。関わらないのが一番だ。それと、俺達四人は、なるべく、別行動はしないよう、気を付けよう。もう、あいつが、何をしてくるか分からん」

 ベルトラム達は、ため息をつきながら、静かに頷く。

 他の勇者パーティーにも、この事は、話してある。

 皆、呆れていたよ……。

 と言うより、俺の事を、本当は、勇者なのではと、思っていた様だ。

 あんな狂った勇者が、本当に居るなんて、半信半疑だったらしい。

 現に、ソットのパーティーに、ちょっかい出している所を目撃し、俺が、追い払ったのだから。

 感謝と同時に、愚痴まで言われてしまった。

「ジャショウさんが、勇者に成れば、丸く収まるのに!」

 と……。

 あいつの奇行が、目立つにつれて、俺の株が、無駄に上がってゆく。

 勘弁してくれぇ……。

 国王陛下も、お手上げ状態だ。

 大人が、頼りに成らない状況。必然的に、エレズを追い払う俺の側に、皆、集まって来る。

 変な形で、結束してゆく。

 やれやれ……。

 明日から、訓練が始まる……。

 エレズの事も含み、どうなる事やら……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ