早く帰りたいのだが……。
エレズが、城に、到着した様だ。
それの伴い、俺やベルトラム達が、国王陛下に呼ばれる。
面倒臭い……。
また、エレズと、顔を合わせなくては、いけないのか?
しかし、謁見の間に到着すると、エレズの姿は、どこにも見当たらない。
どう言う事だ?
その代わりと言っては何だが、国王陛下達の顔が、優れない。
国王陛下は、米神を押え、深々と、ため息をつく。
俺は、ソルトの方を向く。
肩をすくめるソルト。
ああ、エレズ……。
国王陛下の前でも、馬鹿をやったな?
俺は、深々と、ため息をつき、
「ジャショウ・シルフィール!仲間と共に、参上いたしました!」
俺の言葉を聞き、国王陛下は、俺を見やると、再び、ため息をつく。
そして、心の底から言う様に、
「どうして神は、君を!勇者にしてくれなかったのかなぁ?君達には悪いが、あのエレズと言う少年、勇者どころか、人として失格だよ。使い物に成らない!ハラ婆さんは、どんな教育をしたのだ?いや、ハラ婆さんが、教育しているのに、横槍を入れてしまった、私の所為か……。ジャショウ君、お願いだよ。君が勇者だと、言っておくれよ」
「はあ……。残念ですが、私は、ただの、荷物持ちですよ。エレズも、到着した事だし、ニッサ村に、帰らせて頂きたいのですが……」
「本当、勘弁して!取り敢えず、ベルトラム君達には悪いが、ニッサ村の、勇者パーティーは、解散させる!ハラ婆さんの方には、連絡しておいたが……。アデナちゃんには、ハラ婆さんの仕事を、引き継いでもらい。ベルトラム君とヤファちゃんには、その助けをしてもらう事と成る。はぁ……。ジャショウ君も、ニッサ村に、帰さないといけないのかぁ」
「はあ……。私の仕事は、勇者パーティーの、荷物持ちと、ここまでの、道案内ですから。既に、役目は終わりました。できるだけ早く、帰らせてもらいたいのですが……」
「ジャショウ君……。君、自分の立場を分かっている?王宮魔術師達からも、ソルト達、騎士団からも、君の仕官が、強く望まれているのだよ?宰相である、ロースも珍しく、君と言う存在に、興味を示している。自分で言うのもなんだけど。私を前にして、動じる事無く、優雅に立ち振る舞い、自分の意見を、ハッキリ言える。その上、その言葉には、人を動かす力がある!それだけじゃ無い!国の暗部の追跡に気づき。動じる事無く接触し。ただ、素直に従うだけで無く、信頼しうる、裏付けまで、自分で、調査してしまう。ロースは、ジャショウ君であれば、外交官としても、十分やって行けると、褒めていたよ。自分の下で、修行を積めば、後継者にしたい位だと」
「はあ……。買い被り過ぎじゃ無いですかねぇ?」
どんどん、面倒臭い話に成っている。
国王陛下達の、この心情は、エレズの、愚かさだけでは、無い様だ……。
俺も少し、目立ちすぎてしまったようだなぁ……。




