取り残される者……。
エレズは、結局、一時間の遅刻だ。
イライラする三人……。
エレズが来たのを確認すると、さっさと歩きだす。
慌てて、追いかける、エレズ。
ベルトラムの肩を掴み、
「何を慌てているのさ?そんなに急がなくても、ロゴーの村は、逃げたりなんかしないよ?」
「はあ?何度も言ってるだろう?宿屋を確実に取るには、十五時までには、村に着かなくちゃ成らないって!妖魔が徘徊する森の中で、お前は、野宿がしたいのか?」
「大袈裟だなぁ……。今回だって、五時過ぎに着いたけど、ちゃんと、宿に泊まれたじゃないか」
「たまたま、運が良かったからだよ!それに、ジャショウは、俺達の代わりに、馬小屋で寝たんだ!そう言うの、分かっているのか?お前……」
「別に良いじゃないか!彼は、ただの荷物持ちだよ?碌な仕事をしていないんだから、馬小屋だって、構う必要ないよ」
「お前……。それ、本気で言っているのか……?」
ベルトラム達は、エレズに対して、冷ややかな目線を送る。
エレズは、何を非難されているのか分からず、首を傾げる。
ベルトラムは、呆れた顔で、
「もう良い……。お前と話していても、むかつくだけだ!悪いが、ヤファとアデナ!俺も警戒するが、左右の森を、警戒してくれ!なるべく、無駄な戦闘は避けて、遅れを取り戻すぞ!」
「ええ。私も、気を付けて、歩きたいと思います」
「ヤファも、注意する……」
ほう……。
しっかり、索敵する様に成ったな。
トライアングルの陣形を作り、足早に、次の村へと目指す。
取り残された、エレズは慌て、
「リーダーは、勇者である僕だよ!勝手な行動は、慎んでくれよ!」
もう、誰の耳にも、エレズの言葉は、入らない。
やれやれ……。
エレズの奴、ここから、挽回できるのかねぇ……。




