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天翔雲流  作者: NOISE
現実と妄想の狭間で
1553/1794

取り残される者……。

 エレズは、結局、一時間の遅刻だ。

 イライラする三人……。

 エレズが来たのを確認すると、さっさと歩きだす。

 慌てて、追いかける、エレズ。

 ベルトラムの肩を掴み、

「何を慌てているのさ?そんなに急がなくても、ロゴーの村は、逃げたりなんかしないよ?」

「はあ?何度も言ってるだろう?宿屋を確実に取るには、十五時までには、村に着かなくちゃ成らないって!妖魔が徘徊する森の中で、お前は、野宿がしたいのか?」

「大袈裟だなぁ……。今回だって、五時過ぎに着いたけど、ちゃんと、宿に泊まれたじゃないか」

「たまたま、運が良かったからだよ!それに、ジャショウは、俺達の代わりに、馬小屋で寝たんだ!そう言うの、分かっているのか?お前……」

「別に良いじゃないか!彼は、ただの荷物持ちだよ?碌な仕事をしていないんだから、馬小屋だって、構う必要ないよ」

「お前……。それ、本気で言っているのか……?」

 ベルトラム達は、エレズに対して、冷ややかな目線を送る。

 エレズは、何を非難されているのか分からず、首を傾げる。

 ベルトラムは、呆れた顔で、

「もう良い……。お前と話していても、むかつくだけだ!悪いが、ヤファとアデナ!俺も警戒するが、左右の森を、警戒してくれ!なるべく、無駄な戦闘は避けて、遅れを取り戻すぞ!」

「ええ。私も、気を付けて、歩きたいと思います」

「ヤファも、注意する……」

 ほう……。

 しっかり、索敵する様に成ったな。

 トライアングルの陣形を作り、足早に、次の村へと目指す。

 取り残された、エレズは慌て、

「リーダーは、勇者である僕だよ!勝手な行動は、慎んでくれよ!」

 もう、誰の耳にも、エレズの言葉は、入らない。

 やれやれ……。

 エレズの奴、ここから、挽回できるのかねぇ……。


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