俺の仕事は、馬鹿なガキの子守では無い!
あれから、歩き出して三十分……。
エレズとベルトラムは、肩で息をし。ヤファとアデナは、ふらついてしまっている。
仕方が無いか……。
男二人は、どうでも良いが……。
ヤファとアデナは、俺の啖呵で、とばっちりを受けているのだ。
流石に、可哀そうであろう。
「失礼」
二人の体を、ひょいっと持ち上げる。
荷物の上に乗せ、
「しっかり、掴まっていて下さい♪」
俺は、二人を乗せ、更に、スピードを上げる。
エレズとベルトラムは慌て、ついには、走り出してしまう。
俺は、涼しい顔で、その後を追う。
はてさて、頑張れ、勇者君達。
荷物を持っている俺に、追い抜かれるようだったら、そのケツ、蹴り飛ばしてやるからな……!
まあ、十三歳のガキじゃ、こんなものか?
村から出て、十K地点、勇者と剣聖は、グロッキー状態で、座り込んでしまう。
俺は、首を傾げ、
「キャンプ地点は、まだまだ先です。こんなところで、座り込んでいたら、日が沈んでしまいますよ?」
「う、五月蝿い!休憩だって必要だ!僕は、パーティーメンバーの、体力を見てだなぁ……」
「左様でございますか?私の仕事は、荷物持ちと、キャンプの設営なので、一足速く、先に進ませて頂きます。それでは、失礼致します」
「なっ!?ちょぉっ!?」
何か言おうとする勇者を無視し、俺は、ヤファ達を乗せたまま、さっきより速いスピードで、歩き出す。
やれやれ……。
馬鹿なガキの子守など、何時までも、やっていられるかよ……。




