表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天翔雲流  作者: NOISE
喰らうは誰か……?
1537/1794

勇者達の我が儘

「ジャショウや……。儂の願いを聞いて、村の皆を、助けてくれているんだってのう」

「え?いや……。俺も、村の皆に、助けてもらっています。お互い様ですよ」

「そうかい、そうかい……。ほんに、この村は、良い宝物に、巡り合えたのう」

「はあ……」

 ハラ婆さんは、俺の手を、優しく握る。

 後ろでは、ニルが、ニコニコ笑い、

「で、ハラ婆さん。ジャショウ君にお願いって、何かあったのかい?」

「そうじゃったのう……。前に、この村には、勇者達が居ると、言ったじゃろう?」

「ああ、はい」

「武芸、魔法も、それなりに達者に成ったんじゃが……。それ以上に、口が達者でのう。戦いに専念したいから、従者を用意しろとなあ……」

「また、そんな、我が儘を言っているのかい!?どうせ、そんな、小賢しい事を言うのは、エレズの坊やだろう!」

 ニルが、烈火の如く、怒り始める。

 ハラ婆さんは、ため息をつき、

「まあ、落ち着きなさい……。あれは、あれでも勇者じゃ。それに、言っている事も、あながち、間違っておらん。仕方の無い事じゃ」

「仕方が無いって!だったら、大人の誰かを、随伴させればいいでしょう?なんで、ジャショウ君が!」

「拒絶されたのじゃよ。大人は、俺達に戦わせて、ただ、見ているだけか?それだったら、同年代の者の方が、まだ、我慢できると……」

「それを言ったのは、ベルトラムの坊やだね!暴れる事しか出来ない癖に、図々しい!!」

「落ち着きなされ、落ち着きなされ……。一応は、諫めたが、あの者達は、儂等に隠れて、国王陛下に、書状を送ったようじゃ。国王陛下から、王都までの道のりには、なるべく、勇者達の要望を聞き、供を随伴させよと、手紙が送られてきたのじゃ。了承せねば、この村が、見放されてしまう」

「そんなの、ただの、脅しじゃ無いのさ!ハラ婆さんは、王都でも、顔が利くじゃ無いのさ!ただ、言いなりになると言うの!?」

「そんなつもりは、断じて無い!!」

 今まで、宥めに回っていた、ハラの目に、怒りの色が灯る!

 不自由な足を叩き、仁王立つと、

「ジャショウを、お貸しするのは、王都までじゃ!!ルキウスの坊主には、返書を送った!!共に、ジャショウと言う少年を付ける。もしも、無事に返さなければ、儂は、一切の祈りをやめるとな!!」

「ハラ婆さん……。祈りを止めるって、本気なんだね……?」

 ハラ婆さんとニルの会話の意味が、全然分からない……。

 俺は、慌て、

「ちょっと、二人とも、落ち着いて下さい!私は、何を言っているのか、さっぱり、分からないのですけど……」

 二人は、俺の言葉で、漸く落ち着く。

 まったく……。

 今、どう言った状況なのか、落ち着いて、教えてもらいたいものだ……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ