最高な取り柄
「ジャショウ君、お疲れ様……」
俺は、ニルと肩を並べ、食器を洗う。
結局、ゲルメルは、客と酒を飲んで、椅子にもたれ掛かり、大いびきをかいている。
そんなゲルメルを、ニルは、優しげに見つめ、
「本当、困った、旦那だよ。ジャショウ君が来て、嬉しかったんだろうねぇ。何時も以上に飲んで、眠っちまうなんてさぁ」
「でも、お客様達も、楽しそうでした」
「ふふふ……。あの旦那の、唯一の、取り柄だよ。客を笑わせ、自分も笑う。とんだ、お調子者だよ」
「でも、人を笑顔に出来るなんて、素晴らしい、取り柄だと思います」
「ふふふ……。そう言ってくれるかい?あんたは本当、良い子だねぇ……。明日からも、手伝ってくれるかい?」
「はい!喜んで♪」
ははは……。
本当に、この世界でも、親が出来たみたいだ。
なんだか、温かくて良いなぁ……。
給料まで、頂いてしまったし。明日は、子供達を連れて、お菓子でも、買いに行くかなぁ……?
朝、朝食を食べた後。畑の様子を見て、子供達を連れて、お菓子屋さんへと向かう。
道行く人々に、声を掛けられ、俺達は、笑顔で、会釈する。
店に着き、
「それじゃあ、一人、五百エルスな。好きなお菓子を、選んでおいで」
「「「わ~い♪」」」
子供達は、笑顔で、店の中へと、駆けこんでゆく。
俺も、年少のアミルと、手を繋ぎ、店の中へ。
「おお、おお!バーニャ酒場の、看板息子さんか!約束通り、来てくれたんだのう」
声をかけてくれたのは、このお菓子屋の店主で、酒場の常連の、お爺さんだ。
俺は、笑顔で会釈し、
「昨日は、ありがとうございました。早速、来させて頂きました。商品を、子供達と一緒に、拝見させて頂きますね?」
「本当、しっかりしておるのう。おまけしてあげるから、沢山買ってお行き」
「ありがとうございます」
子供達が、お菓子を選んで、俺の元へと、駆け戻って来る。
俺は、ニコニコ笑い、
「リアノンちゃん。これなら、三百エルスだから、もう一個ぐらい、お菓子が買えるよ?」
「本当!どれにしよう?」
「二百エルスなら、これか、これか、これかな?」
「じゃあ、これにする♪」
年少のアミルは一歳。
次いで、リアノンが三歳だ。
その上が、六歳のシャフィカ。
八歳の、ベルキン。
そして、十歳の、ゲメルスに成る。
皆、とても良い子だ。
全員、お菓子を買い終え、
「「「お爺ちゃん、ありがとう♪」」」
「ほんに、ほんに、またおいで」
お礼をしっかりと言い。お爺さんと、奥から出て来たお婆さんに見送られ、帰路に就く。
さてと……。
頑張って、お金を貯めて、今度は、この子達に、洋服でも買ってやろうかなぁ……?




