孤児院での、初顔合わせ
「ジャショウ・シルフィール。ハラ様のご厚意で、この村に留まる事と成りました。以後、よろしくお願い致します」
ここは、バスラー孤児院。
俺が、今日から、世話となる孤児院だ。
子供達が、五人……。
シスター、アネスと言う者が、取り仕切っている様だ。
俺は再び、孤児院の子達に目線を合わせ、自己紹介をする。
「ジャショウ・シルフィール。十二歳です。よろしくお願いします」
子供達は、ニコニコ笑う。
俺の服を引っ張り、
「わあ!ジャショウって言うの?お兄ちゃん?お姉ちゃん?」
「バカ!名前を聞けば、分かるだろう?お兄ちゃんだよ!」
「わあ♪絵本に出てくる、王子様みたい♪」
「あう!あう!抱っこ!」
「ずるい!私も抱っこ♪」
元気の良い子供達だ。
シスター、アネスもまた、ニコニコ笑い、
「ジャショウ君は、この孤児院で、最年長となりますね。色々と、お手伝いを頼むと思いますが、どうか、よろしくお願いします」
「あっ!はい!俺に出来る事があれば、何でも、申し付けて下さい!」
「ふふふ……。頼りにしています」
こうして、子供達に囲まれていると、自分の役目を、忘れてしまいそうだ。
どうにか、間引きせずに、人類を、存続させる事が、出来ないだろうか?
俺は、子供達をあやしながら、一人、深く思案した……。




