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天翔雲流  作者: NOISE
喰らうは誰か……?
1526/1794

第一村人発見

「止まれ!」

 男が二人、槍を構えて、俺の進路を塞ぐ。

 ほう……。

 小さな村であるが、兵が、駐屯しているのか……?

 いや、装備からして、自警団と言った所か?

 一人は、レザーアーマー。もう一人は、チェインメイル。

 どちらも、使い古されている。

 しかし、どちらも、それ程の手練れでは、無い様だ。

 武器に、槍を使うは、一長一短。

 素人でも、ある程度戦えるから、槍を愛用する者も多い。

 彼等が、手練れで無いと判断した理由は、武器の構えと、武器の状態にある。

 構えの方は、子供相手だと言うのに、腰が引けている事。その上、矛先が、上がり過ぎだ。長槍であれば、対人戦において、上から叩くと言う選択もあるが、彼等の装備している槍は、一般的な、ミドルレンジの槍。突きを主体とする武器だ。あれでは、いざと言う時に、敵を、真っ直ぐ、貫く事が出来まい。

 そして、武器の状態と言うのは、そのままの通りだ。槍は、刃先を使う物。刃先さえ、手入れしていれば良いと言った、名人も居たが……。

 彼等のそれは、それ以前だ。

 碌に、手入れもされておらず、刃自体が、曲がってしまっている。

 あれで、どうやって、獲物を狩ると言うのだ?

 まあ、良い……。

 俺は、彼等の、ダメ出しをしに来た訳では無い。

 至って冷静に、ローブ代わりに、纏っていた布切れを脱ぎ、

「驚かせて、申し訳ありません……。妖魔の攻撃が激しく、村を追われ、両親と旅をしていたのですが……。その両親も、妖魔に殺され、今は、俺一人、行く当ても無く、旅をしております。どこか、俺の様なガキでも、仕事を頂き、暮らせる様な場所は、無いでしょうか……?」

「そ、そうか……。大変な思いを、して来た様だな。この村は、決して裕福とは言えないが、孤児院がある。先ずは、長老に顔を通し、訪ねてみると良い」

「こんな、ご時世だ。人同士、助け合わなくてはな。今、案内役を、連れてくる。少し、待っていなさい」

「ご厚意、感謝いたします……」

 俺は再び、布を纏い、案内役とやらを、待つ事とする。

 少なくとも、この村は、嫌な臭いも、怪しい気配も無い。

 場合によっては、しばらくの間は、この村で、厄介になるとしようか……。


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