新たな仲間を加え
ウルヴア学園も、随分と変わった様だ。
着飾るだけの、お人形さんかと思えば、中々どうして……。
教えてやれば、素直に学び、よく働いてくれる。
八名の少女達……。
ヨセフに続き、ヨシカまで、いらぬ気をまわしてくれたな。
まあ、よく働いてくれるから、別に良いが……。
それにしても、この地獄の様な仕事量。
苦だと思っているのは、俺だけなのだろうか?
アルサやエローラ。メアリーやエル。前から働いていた者達は、勿論の事。新しく入った者達も、活き活きと働いている。
「ジャショウ様!ライス地区が、一足早く、農業を始めたいと言っておりますが、如何致しましょうか?」
「ふむ、悪く無い判断だ。俺が、現地に赴き、大地に祝福を与えよう。あそこの領主に、その様に、手紙をしたためてくれ」
「畏まりました!ライス地区が、農業に成功すれば、他の地区も、真似る事と成りましょう。そうすれば、スターリーの、食料事情も、改善されますね。今のところ、輸入で、賄っていましたから」
「そうだな……。平時は、それでも良いが。不測の事態に陥った時、自領で、食料を自給出来る事は、大きな強みになる。エネス地区も、そろそろ、始めなくてはな」
「それならどうでしょう?エネス地区は、農業を行う者に、土地と家を、貸し与えるというのは!」
「ふむ。面白い考えだ。そうするとしたら、家の方は、五年、農業を続けた者には、いっその事、与えてしまうと言う事にすれば、人が多く、集まるかもしれぬな」
「家を与えてしまうのですか!?また、斬新な考えですね!畏まりました!すぐに、今の案を、まとめてしまいたいと思います!」
「頼む。少し遅くなったが、ライス地区と足並みを揃え、エネス地区も、農業に、力を入れるぞ」
「「「はっ!!」」」
やれやれ……。
スターリーの街全域が、漸く、軌道に乗り始めたが……。
まだまだ、俺は、楽が出来そうも無いな……。




