表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天翔雲流  作者: NOISE
喰らうは誰か……?
1519/1792

たった一文で、怒られた!?

 超大国スターリー……。

 そのスターリーの中に生まれた、もう一つの国……。

 エネス地区は、そう呼ばれている。

 聡い者達が、エネス地区へと集まってゆき、俺は、望まなくとも、天上へと、持ち上げられてゆく。

 スターリーの発展と共に、俺は、大公と言う地位に、担ぎ上げられる事と成る。

 実に、面倒臭い……。

 この爵位に伴い、俺は、スターリーの街全域を、統括し、発展させる事を、義務付けられる事となった。

 俺は、増えてゆく仕事に、ウンザリしながら、

「エローラとアルサよ……。これでは、俺達が死んでしまう。人を雇いたいが、誰か、信頼出来る者は居るか?」

「ははは……。なかなか、難しい案件ですね。残念ですが、これという人材が、思い当たりません。しかし、良い機会です。人を育てては、如何でしょうか?」

「人を育てるか……。出来る事なら、ウィスター学園から、人材を招き入れたいが……。テッカ達は、第二期生……。第一期生が卒業するのも、後二年かかる。ウルヴア学園でも良いが、テッカ達の政に、余計な口を、挟みそうだ。良し!」

 俺は、筆を取り出し、紙に、でかでかと文字を書く。

 身分問わず、才有る者を、広く求む!

 やはり、アルサの言う通り、俺達が直々に、一から、育てる事としよう。

 貴族達が、泡を吹くぞ。

 俺直属の、文官……!

 満足げに、その紙を掲げていると、丁度、ヨシカが現れ、その紙を見て、目を見張る。

 ヨシカは、震えた声で、

「ジャ、ジャショウ君!?あなたは、スターリーの中に、国を創るつもりですか!?」

「ぬ?何だ?藪から棒に……。俺は、王の位に、興味が無いぞ。ヨセフ達が、俺達に、どんどん仕事を寄こすから、人手が足りないんだ。だから、民の中から、広く、知恵者を集め様としているのだ」

「ウィスター学園は、まだ、卒業者が出ていませんが、ウルヴア学園が在ります!国の教育を無視し、人を集めては、それこそ、ジャショウ君が、簒奪者に成ろうと言う妄言に、真実味が帯びてしまいます!私が、然るべき人材を集め、ジャショウ君の、麾下に加えます!頼みますから、何かする時は、私に相談しなさい!!」

「けどよう……。テッカ達を、エネス地区の領主にすると決めてあるのだ。下手な貴族が来てしまったら、邪魔になる可能性があるぞ?これから先の世は、民達が、民達の為の政を、行うべきだと思うのだが……」

「その考えは、早計です!確かに、エネス地区の統治は、テッカ君達に、任す事と成りましょう。しかし!スターリーの街全体の統括は、引き続き、ジャショウ君の仕事となります!その事を踏まえ、私が!数名の適任者を、用意いたします!わかりましたか?」

「お、おう……。その口ぶりからして、テッカ達が、エネス地区を統治する様に成っても、俺は、お役目御免とは、成らないと言うのかよ?」

「当たり前でしょう!ジャショウ君以外に、誰が!スターリーの街を、統括出来ると言うのですか?」

「ヨシカがやれよ……」

「私の仕事は、人材発掘です!ジャショウ君の意も汲んで、平民達からも、人材を集めますから、余り、独断で、勝手な事をしないで下さい!!」

「ええ……。これ位、良いじゃないか……」

「ジャショウ君……。貴方は、貴族達を、滅ぼすつもりですか?貴方自身の立場も、危うい状況に有ると言うのに、これ以上、突拍子も無い事を、行わないで下さい!」

「ふへぇ……」

 まったく……。

 たった一文で、ここまで怒られるとは……。

 だったら、何でもかんでも、俺に押し付けないで、その人材とやらに、やれせれば良いじゃないか……。

 本当、大きくなるにつれて、色んな事が、やりづらくなって来たよなぁ……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ