今は、あるがまま……!
喰らうは誰か……?
一連の出来事により、スターリーは、大きく変わった。
点が消え、一本の線が、大きな円を描く。
躍動する、スターリーの街。
そして、望まなくとも、エネス地区を中心に、発展し始めている。
そうなれば、やはり……。
「ジャショウ様。イス地区の領主から、ジャショウ様の、視察願いが、届いております」
「またか……。俺は、他地区の方針にまで、口を出したくないのだが……」
「ジャショウ君!そんな事を、言っている場合ですか!五人の貴族の、悲惨な交代劇。いくら、正当防衛とは言え、責任の一端は、ジャショウ君にも、有るのですよ!新領主を助け、今後、この様な事が起らない様に、この事態を逆手にとって、他地区と、足並みを揃えるのです!」
「はぁ……。仕方がないか……。五地区に対しては、工業を、担ってもらう事としよう。恐らく、スターリーの街は、この一年で、大きく変わる。農業にも、力を入れたいが、それらは、先を行く地区に任せ、五地区は、人を受け入れる体制を、確立しなくてはな。仕事を作り、人々が、豊かに暮らせる、地区を創るとするか」
「ジャショウ様。今現在、スターリーの街では、ガラスの需要が、高まっております。先ずはそこから、攻めてみては如何でしょうか?」
「アルサ、済まないな……。君こそ、領主に成るべき、人材の様だ」
「勿体無きお言葉。ですが、私は、ジャショウ様の側で働く方が、性に合っております」
「ふっ……。我が張良よ、これからも頼む」
「は?はっ!チョウリョウとは、何の事か分かりませんが、この命、ジャショウ様の為に、使い尽くしたいと思います!」
「ははは!まあ、肩の力を抜け!アルサは、アルサのまま、思う様に、頑張ってくれれば良い。まったく……。俺は、人に恵まれているな」
まったく……。
アルサやエローラ、ネム達のお陰で、忙しくはあるが、苦では無いな。
こうやって、多くの者達に担ぎ上げられ、俺は、天上へと手を伸ばす。
王の玉座に、興味は無いが……。
今は、あるがまま、我が役目を、演じようじゃないか……!




