表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天翔雲流  作者: NOISE
喰らうは誰か……?
1514/1794

王の過ち

 天界下界と、混沌とした状態にあるが、少しずつ、人々は結束し、点が線へと変わる。

 線は、輪を描き、巨大な、コミュニティーへと、変貌してゆく。

 輪に入れなかった者達の、悲惨な状況。

 例の、五人の、貴族達だ。

 俺を出し抜き、他の貴族に取り入り、包囲網を、創ろうとした。

 それが、今となっては、完全に孤立し、民を抑える事も叶わず。日夜、貴族達の、退位を求めるデモが、頻発している。

 限界であろう。

 だからと言って、俺が、何かしてやれるかと言えば、何も出来ないのだが……。

 実に、頭が痛い。

 過ちは繰り返す……。

 奴らは、他人の失敗から、学ぶ事が出来ないのだろうか……?

 今日も今日とて、ヨセフに呼ばれた。

 奴等の所為で、スターリーの治安も、ずいぶんと、悪くなってしまったからなぁ。

 ヨシカとヨーレスを従え、玉座の上で、険しい顔をしているヨセフ。

 相当、ご立腹の様だ。

 俺は、ヨシカ達と、顔を見合わせ、肩をすくめる。

 ヨセフは、玉座を、指で三度叩き、

「ジャショウ君……。参ってしまったよ。どうするべきかな?」

「今度は、何の事を言っているのだ?」

 大体の予想はつく。

 しかし、正直、関わりたくない!

 ヨセフは、俺の顔を見て、盛大な、ため息をつく。

「わかっているんだろう?彼らの事だよ」

「ははは……。彼等のことね?一年の猶予は、中途半端だったようだな?彼等を、退かせるつもりなら、年末の会議で、退かせるべきだった。猶予を与えるにしても、たった一年では、結果を出すなど、あの程度の奴等では、不可能に近い。どちらにしても、見積もりが甘かったんだよ。悪戯に、彼等を、暴走させてしまったな」

「やはり、そうかな……。今からでも、遅くは無い。引導を渡すべきかな?」

「まあ、奴等が、素直に従うだろうか?難しいところだな。王が、民に屈したと、騒ぐかもしれぬ。奴らの浅知恵は、的を射ているからな」

「往生際が悪いの間違いだろう?ボーキ達の様に、早々に、尻尾を出してくれれば良いが……」

「そう言う処は、聡いからな。恐らく一年、逃げ通すだろうよ」

「はぁ……。それでは、スターリーが、混乱したままだよ。何か、策は無いかなぁ?ジャショウ君」

 はぁ……。

 今更、策と言われてもなぁ……。

 現状で、強固な手段を使って、奴等を、退かせる事は、可能なんだが……。

 その為には、王が、過ちを認めなくちゃならない。

 やれやれ……。

 本当に、何か、害にならないが、致命傷となる失策を、奴等が、やってくれれば良いが……。

 その考えは、甘すぎるかなぁ……?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ