短時間で、やらかし過ぎだ!
「ジャショウ様、お疲れの様ですね?」
「ん?ああ、アルサか……。まったく、どうにか成らないのか?あの、馬鹿な貴族が、何かをする度に、しわ寄せが、こっちに来る。アルブレッド殿を宥めるのに、苦労したぞ」
「ははは!その苦労も、そう長くは、続かないでしょう」
「んあ?何か、奴等の尻尾を、掴んだのか?」
アルサの、余裕の構え。
また、あの貴族達は、何かをやらかそうと言うのか?
しかし、この、アルサの余裕……。
既に、何かやらかして、お粗末な結果が、出てしまっていると言うのか?
アルサは、俺の顔色を窺い、肩をすくめ、
「彼等は、どうやら、強硬な手段に、出てしまったようです。先ず、自分達の地区と他地区の間に、関税を強要し。結局の処、自分の地区の住民に、暴動を、起こされてしまったようです」
「はあ?スターリーの街内で、関税など、愚の骨頂だな。阿呆なのか?あいつ等は」
「勿論、ヨセフ国王陛下の耳にも入り、即刻撤廃、大目玉を喰らったようです」
「はあ?」
「続いて……」
「ちょっと、待て待て!この短時間で、まだ、何かやったのか?」
関税の話すら、俺は知らないぞ!
あの、合同会議の後に、やったのだろう?
まだ、十日も、経っていないでは無いか!
アルサは、苦笑し、
「ええ……。若い領主を狙って、需要者の利益を守る為だと、商業権と言うモノを創り。自分達が、商品の品質を管理するから、商業を、続けたいのであれば、まあ、簡単に言えば、金を払えと」
「まあ、言っている事は、筋が通っている様に思えるが……。阿呆か?あいつ等は……。ヨセフを始め、方々から、口を酸っぱくして、言われていただろう?その様な事をするのであれば、それは、国がする事であると」
「勿論、その通りです。若い領主から、ヨシカ様の耳に入り。こちらの話も、ヨセフ国王陛下の耳にまで届き。今、王城で、お怒りを受けている所でしょうね」
「はぁ……。何度も言うが、近道など、無いと言うのに……」
彼らは一度、金と言うものから、頭を離し、真剣に、自領を統治する事に、専念するべきだ。
これ以上、他地区を巻き込み、暴走しないで欲しい。
やれやれ……。
今まで以上に、あの貴族達を、見限る者達が、多く出よう。
また、エネス地区を、増築しないと駄目かもしれぬな……。




