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天翔雲流  作者: NOISE
喰らうは誰か……?
1509/1794

袋小路の中で

 馬鹿な貴族も、後五人か……。

 噂と言うのは、広がるのが早い。

 国王陛下が、貴族達の無能ぶりに、匙を投げたと。

 いっその事、俺が、スターリー全域を、統括してくれれば、良いのでは無いかと、また、囁き始めている。

 面倒、この上ない。

 しかし、時間の問題だな。

 五人の貴族は、八方塞がり。

 何をしたら良いか分からぬ風で、それでいて、頼れる者も居ない。

 ヨセフ達は、呆れかえり。俺に頼ろうにも、国王陛下に、讒言してしまった。

 他の地区の貴族達も、眉を顰めている。

 自力で、何とかするしかない。

 金も無い。

 知恵も無い。

 力も無い。

 民達は、言う事を、聞いてはくれぬ。

 無情に進む、時計の針。

 その間も、エネス地区を始めとする他の地区は、発展し続けている。

 頭痛いなぁ……。

 ボーキ達の様に、暴走するなら、暴走してくれた方が、潰せると言うものを……。

 敵ばかりであった俺も、今と成っては、大勢を占めている。

 政略的に、潰す事も考えたが、ヨセフが与えた、猶予が邪魔をする。

 それを、俺が、覆してしまえば、サルスフォードの再来と、名実共に、成ってしまう。

 ボーキ達の様に、物理的に、仕掛けて来れば、楽なんだがなぁ。

 アルカ騎士団も、メイア海兵隊も、既に、金色の誓いが、成されている。

 うむ……。

 エネス地区は、スターリーに在りながら、既に、魔境だ。

 奴等、馬鹿なんだが、そう言う所は、心得ているんだよなぁ。

 政略的に、俺を、潰そうとしていた様だが、逆に、己の首を絞めた……。

 哀れに思うは、彼の地区の民達……。

 どうにかしてやりたいが、今の所、どうする事も出来ないよなぁ……。



「ジャショウ君。例の貴族の一人から、スターリーの街を統治する貴族の、合同会議開催を求める書状が、届いております」

「はあ?何を、話し合うと言うのだ?現状、アッカ地区とノワー地区の援助をしながら、フリュクベリ商会を通して、新しい事業を、始めているのだ。そんな暇は無い!三月に、定例会議が有るだろう?このタイミングで、何を話し合うと言うのだ?」

「さあ?互いの統治法を見直し、足並みを、揃えたいと言う事です」

「あの五地区を除けば、足並みは、揃っている。悪いが、俺は、参加しないと、書状を送っておいてくれ」

「分かりました。では、アルブレッド様達にも、その様に、連絡しておきます」

「んあ?何故、アルブレッド殿達にも?」

「アルブレッド様を始め、各地区の領主達が、ジャショウ君の動向を、気に掛けている様です。それに、ジャショウ君同様、このタイミングでの、合同会議に、疑念を抱いております。各地区、折角、軌道に乗り始めた事業に、水を差されるのでは無いかと」

「最もな意見だな。なら、各地区、三月に行う、定例会議までに、成果を出す為、自分達のするべき事に、集中するよう、伝えておいてくれ。まったく……。手間をかけさせられる……」

 やれやれ……。

 どうせ、出席しても、自分達の政策に、協力しろと、言って来るだけなんだろう。

 相手にするのも、馬鹿らしい話だ……。


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