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天翔雲流  作者: NOISE
喰らうは誰か……?
1508/1794

オウムの方が、賢いな……。

「やあ、ジャショウ君。また、呼び出してしまい、済まなかったね?と言うか、前にも話したけど、ここにも、帰る場所が在るのだから、たまには、王宮にも、帰って来ておくれよ。良い酒を、用意しておくからさぁ」

「御免こうむる!で、奴等は何と?」

「ははは……。また、何時もの、泣き言だよ。散々、エネス地区に、ちょっかいを出しておいて。自分達は、スターリーの街が、無理無く発展する為に、他地区を考え、足並みを揃え様としているだけなのに、誰とは言わぬが、他地区を侵害する事を、良しと思う者を模倣し、互いに蹴落とし合っている。私の威光で、正して欲しいと」

「はあ?舐めているのか?他地区の足を引っ張っているのは、その者達であろう?それに、どこの誰とは言わないが、その者達の地区を除けば、皆、助け合って、発展している。そんな、下らない讒言の為に、俺を呼んだのか?」

「ははは……。まさか。彼等には、今、ジャショウ君が言った事を、そのまま言って、怒鳴り飛ばしてやったよ。和を乱しているのは、お前達の方だって!そしたら、彼等は、何と言ったと思う?」

「はあ?馬鹿の考える事など、俺には分からん!」

「うん。馬鹿な事だったよ……。国王陛下は、どの様な発展を望んで、私達に、何を望んでいるのですかって……」

 ああ……。

 完全な、馬鹿だ……。

 年末の会議で、散々罵られ、言われていたであろう。

 スターリーの街の、受け皿を広げ、人口の増加。

 それに伴い、仕事を増やし、外国との貿易で、スターリーを、発展させる。

 ヨセフもヨシカもヨーレスも、散々、言っていたであろう。

 五回言ったあたりで、俺は、聞くのを止めたが……。

 アイツ等、何を聞いていたんだ?

 何に対して、謝っていたのか?

 一体何を、ヨセフに誓ったのか?

 俺の、呆れかえった顔を見て、ヨセフは、苦笑を零す。

「まあ、今、ジャショウ君が、考えている事と同じ事を、私も思ったよ……。それで、オウムでも、人の言葉を覚えるのに、君達は、私達が言った事を、一言も、覚えていないのか!って、怒鳴り飛ばしてやったよ」

「で、奴等は?」

「年末の、会議と一緒さ。何も言い返せず。何も答えられず。俯いたまま、震えていたよ」

「そりゃあ、ご愁傷様。いっその事、オウムでも、領主に据えたら、少しはまともな、統治をしてくれるんじゃねえか?」

「ははは……。私も、そう思っている所だよ。一年の猶予は、与え過ぎたかもなぁ。どうせ、退かせるのだから」

「まだまだ、ヨセフも、甘いな。セナの代に成るまでに、どうにかしなくてはな。今後の、俺達の課題だ」

「ああ、本当、頭が痛いよ……」

 ヨセフとヨシカと俺……。

 顔を見合わせ、ため息をつく。

 セナにも、馬鹿な貴族に負けない、強い王に、成ってもらいたいなぁ……。


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