討ち入りでございます!
「ジャショウ様。討ち入りでございます」
「は?この気配は、シャーメルとボーキか?何を考えているのだ?あいつ等は……」
「さあ?既に、警察部隊と、アルカ騎士団が、鎮圧いたしました。如何致しましょうか?」
「はぁ……。徹底的に、潰すぞ!シャーメルとボーキには、虜囚服を着せ、市中を引き回す。その後、国王陛下と謁見だ」
「畏まりました……。ヨシカ様も、それで、よろしいでしょうか?」
今日も、我が館に、視察に来ていたヨシカが、深いため息をつく。
「私としては、首を、斬り落としてやりたいのだがな……。兄上の方には、私の方から、事の顛末を、話しておく。ジャショウ君は、余り、過激な事を、やらないでくれ。直ぐに、衛兵を派遣する!これは、れっきとした、クーデターだ。国の方で、制裁を加える!!」
「はぁ……。馬鹿な奴等だ」
俺は、軽い眩暈を覚え、嘆息を漏らす。
エローラとアルサも、苦笑を零す。
これで、馬鹿な貴族が、二人消えたな。
ヨシカも、相当怒っていた。
伯爵の座にありながら、潰されるな。あいつ等……。
今、スターリーの街は、緊迫した状況にある。
シャーメルとボーキの、暴挙の所為で、エネス地区が、アッカ地区とノワー地区に、復讐するのでは無いかと、囁かれているのだ。
あの後、直ぐに、王宮騎士団が駆けつけ、囚人服を纏い、民達から、石を投げつけられていた、シャーメルとボーキを確保。
襲撃に加わった者達は、既に、ボロボロの状態で、横たわっていた。
それでも、怒りの冷め止まぬ、エネス地区の民達……。
アッカ地区とノワー地区には、騎士が置かれ、バリケードが、敷かれている。
まあ、ガッツ達が、その気に成れば、その様なモノは、全て、無意味なのだが……。
本当に、頭が痛い……。
こちらとしての、要求は二つ。
今後、この様な事が、起こらない為に、シャーメルとボーキには、爵位を剥奪し後、私財を没収。
アッカ地区とノワー地区には、然るべき統治者を建て、今後一切、エネス地区に、刃を向けない事。
ガッツ達は、甘いと、怒っているが。これ以上、あの二地区を、追い詰めない方が良い。
罰を受けるは、あの馬鹿伯爵達と、暴動に加わった者達だけで良い。
暴動に加わった者達も、ガッツ達に、手酷くやられ、正直、普通の生活に、戻る事が出来ない。
やれやれ……。
俺が、ガッツ達を、抑えている内に、ヨセフ達よ。早く、納得する内容の刑罰を、提示してくれないかなぁ……?




