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天翔雲流  作者: NOISE
喰らうは誰か……?
1503/1794

裸の王様

 彼等の、暴走は、まだまだ続く……。

 しかし、その暴走も、結局、自分達の首を、絞める事に……。

 アッカ地区の領主、シャーメル伯爵は、エネス地区の絹を、全面的に、売買禁止にした。

 もっとも、それに賛同したのは、落ちぶれた、貴族達だけだが……。

 まったくもって、我が地区には、被害が出ていない。

 逆に、シャーメル伯爵の妻が、粗悪な、アッカ地区の絹で出来た服に、我慢が出来なくなり、夫婦喧嘩が勃発。

 本当、泣けてくるねぇ……。

 今と成っては、粗悪な服を身に纏い、喚き散らしているシャーメル伯爵を、人々は、裸の王様と揶揄し、笑われる事と成った。

 ボーキ伯爵の方も、自領である、ノワー地区に、大金をつぎ込んで、巨大な劇場を、建設し始めたのだが……。

 前回の、暴挙が、仇と成った。

 多くの劇団、芸能人が、そっぽを向いている。

 その上、ヨセフは、見せしめの様に、エネス地区に赴き、シャルル劇団の劇を見ると言う……。

 結局、建設途中で、劇場建設は頓挫した。

 多額の、借金を残して……。

 この二人の暴走が、皮肉にも、他の貴族の暴走を、止める事と成ったのは、笑い話の様だ。

 これが、積み上げて来たモノの違いさ。

 人々の信用も、技術の差も、たった一年で、埋める事など出来ぬ。

 逆に、白薔薇の徒であった、貴族達の方が、上手くやっている。

 と言うか、何もやらない。

 一切の利益を、放棄している。

 ただ、一つ、やった事があったが……。

 俺とアルブレッドに、頭を下げ。自分の地区とエネス地区に、乗合馬車を、走らせてくれと言ってきた。

 中々、強かに成ったと言えば良いか?

 最小限の税金で、民を集め。

 エネス地区への、交通手段を、確立させたのだ。

 ただ、それだけの事……。

 しかし、効果は、顕著に表れた。

 スターリーの街に、移住出来たのは良いが、手元に、お金の無い者達。

 成人を迎え、独立したのは良いが、まだまだ、収入が、安定しない者達。

 そう言った人々が、多く移り住んでいる。

 何気に、将来を見据えると、ライバルに為り得る、地区と成ったな。

 それで良い……。

 俺達とて、スターリーの街を、掌握しようとしている訳では無い。

 未だ、距離があるが、彼等とも和解し、それなりの関係を、築き始めている。

 さて、この一年で、スターリーの街は、どう変わってゆくかなぁ……?


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