馬鹿はどこまで行ってま馬鹿か……。
ボーキ伯爵達は、エネス地区出禁が、相当堪えている様だ。
上手くいかな政策に、離れてゆく人心。
相当、ストレスを、溜めているな。
娯楽に飢えている。
特に、ボーキ伯爵は、自らが望んだ、古臭い劇に、満足する事が出来なくなり、エネス地区への、出禁解除を、強く望んだ。
まあ、今更であるが……。
しかし、まあ、執念と言うものは、恐ろしいものだ。
ボーキ伯爵と言う男は、派手好きな男であったが、みすぼらしい格好に、変装までして、エネス地区へと、入ろうとした。
まあ、結局、劇で、色んな格好をする、シラフやミー達の目は誤魔化せず、追い払われたのだが……。
劇や芸術を、今宵なく愛するボーキ伯爵は、それらを創る者達に、心の底から、毛嫌いされている。
皮肉なモノだ。
他の貴族も、似たようなモノだ。
エネス地区出禁は、相当、堪えている様だ。
馬鹿は、何処まで言っても馬鹿だと言う。
自領の復興よりも、エネス地区出禁解除の為に、無駄な努力をしている。
本当に、馬鹿だなぁ……。
一年など、あっと言う間だぞ?
芸術家が去り。
商人が去り。
何も無くなった地区から、人々が去ってゆく……。
喰らうは誰か……?
俺は、腹一杯なんだが、人々が押し寄せ、その対応に追われる。
第二世代の神を育て。
人間の領主として、エネス地区の発展に貢献する。
勘弁してくれよ……。
人間達は、どれだけ、俺を、酷使するのだ?
ガッツ達が、この勢いに乗るのだと、張り切っているが……。
俺が、水を差す必要も無いか。
人々の熱狂は、巨大な渦へと代わり、力強く、エネス地区を、発展させる。
まったく……。
今年も俺は、方々を、駆けまわるんだろうなぁ……。




