大馬鹿野郎
どう言う訳だ……?
今までも、多かったが。今年になって、エネス地区への、入居希望者が、増大している。
それも、ヨセフ達から、お叱りを受けた、貴族達の地区からだ。
また、あの馬鹿共、何か、やらかしたのか?
俺は、嘆息を漏らす……。
面倒、この上ない。
アルサとエローラは、苦笑している。
どうやら、何か知っている様だ。
アルサは、肩をすくめ、
「どうやら、あの貴族達、少々、結果を、急ぎ過ぎたようです」
「んあ?何を、やらかしたのだ?」
「簡単な話です。ヨセフ国王陛下の求める結果を、短絡的に、形で表そうと。新年早々、民達に、増税を強いたようです。それも、エネス地区に対抗し、同等以上の税金を、国に納める為、少々、強引なやり方で……」
「馬鹿なのか?あいつ等は……」
俺は、アルサの話を聞き、眉を顰める。
幾ら、違う地区だからと言って、民を虐げると言うのであれば、俺が、潰してしまうぞ?
長年、俺と仕事をしてきたエローラは、俺の考えを見抜き、
「別に、ジャショウ君が、手を出す必要は、無い様ですよ?既に、民達は、暴動を起こし。一致団結した彼等は、必要以上の税金を、納めていないようです。ヨセフ国王陛下にも、直訴したそうです。まともな改革は行われず、税だけ奪い、民達を、苦しめていると」
「まだ、今年になって、一月も経っていないのに、悲惨な、状況だな。民の事も、ヨセフの事も、甘く見過ぎだ。さて、奴等は、どうするつもりかな?」
「さあ?商業、工業では、彼等が、幾ら、知恵を振り絞っても、結果を出す事が出来ぬと、諦めたようです」
「何も、やらぬ前からか?何をするにしても、満足する結果が出るまでには、時間がかかろう。奴等は、その事が、理解出来ないと言うのか?」
「出来ないのでしょうねぇ……。それ故に、手っ取り早く、増税し。金と言う形で、結果を出そうとしたようです」
「馬鹿だな……」
「ええ、まったくもって、大馬鹿です。本物の馬鹿です!」
まったく……。
目障りな連中だ。
奴等が、何かする度に、しわ寄せが、こっちに来る。
さて……。
今度は、何を、やらかそうと言うのだ?
やれやれ……。
本当、迷惑な、連中だよ……。




