シスコン恐るべし!
白の世界……。
俺は、また、天界に来ていた。
いや……。
呼ばれたと、言えば良いか?
そこには、ナビ子と共に、ネガレカの姿が。
柔和な笑みを浮かべ、ネガレカは、俺との再会を喜ぶ。
「どうしたのですか?ネガレカ殿……。あちらの世界で、また何か?」
俺の質問に、困り顔の、ネガレカ。
その後ろから、
「ちょっと、あんた!姉さんを返してよ!!」
いきなり、俺に、詰め寄る少女。
見覚えがある。
と言うより、勇者パーティーの賢者、イーラか!
目尻に、涙を溜めて、姉を返せと、俺にせがむ。
ネガレカは、イーラを宥め、
「落ち着きなさい。お前の姉のニーナは、自ら望んで、こちらの世界に、来たのだ。ジャショウ殿を責めるは、お門違いだぞ」
「だったら、私も、この世界で暮らす!姉さんと一緒に、この世界で!」
「はぁ……」
シスコンが、ネガレカの記憶操作すらも破り、姉を求めるとは、天晴な話だ。
俺は、嘆息を漏らし、修行中のニーナ達を、天界へと招く。
急な出来事に、戸惑うニーナ達……。
そんな、ニーナに、
「お姉ちゃん♪」
「えっ?イーラ?」
また、イーラの奴、ニーナに抱き着き、一心に、匂いを嗅いでおる。
一頻り、匂いを嗅いだ後、満足した顔で、
「お姉ちゃん!帰ろう♪」
ニーナの手を引っ張る。
しかし、ニーナは、その手を振り払い、
「イーラ、御免なさい……。私は、帰らない……。ジャショウ達と、ずっと、一緒に居るの」
「お姉ちゃん……」
イーラは、姉の言葉に、ショックを受け、俯き震えると、
「じゃあ!私も、お姉ちゃんと、一緒に居る!」
「一緒に居るって……。お父さんとお母さんは、どうすると言うの?私は、家を去った身だけど、貴方は……」
「大丈夫♪て、言うか、信じられる?私達が、必死に闘っている間に、子供を作っていたのよ?私が、実家に戻った時、私の弟だと、紹介されたわ!頭にきて、私も、家を出て来たって言う訳。その後は、ずっと、お姉ちゃんを探していたの♪ああ!漸く会えた♪」
イーラの、言い分は分かった。
しかしなぁ……。
ニーナも、困り顔で、
「それでも、お母さんとお父さんと、仲直りして、一緒に暮らすべき……。それが、イーラの幸せだと思う」
「何言ってるの?私の幸せは、お姉ちゃんと一緒に、暮らす事なんだから♪」
「その気持ちは、嬉しいわ……。でも、今、私は、ジャショウ達と、暮らしているの。貴方まで、厄介に成るのは……」
「そんなの、大丈夫よ♪」
イーラは、満面の笑みで、姉の両手を、力強く握りしめる。
そして、俺を睨み、
「勿論、私の事も、面倒見てくれるわよね?」
「は?」
「面倒、見てくれるわよね?」
凄まじい、気迫だ。
ネガレカの呪縛を、討ち払っただけの事はある。
目で、訴えている……!
了承しなければ、末代まで、呪うぞ!と。
仕方が無いか……。
俺は、嘆息を漏らし、
「ネガレカ殿……。もし、よろしかったら、この者も、私が、預かろうと思いますが」
「ジャショウ殿……。ご迷惑、おかけします」
まあ、今更、一人や二人増えた所で、問題無いのだが……。
はぁ……。
ニーナの貞操を守る為、気を使わなくては、成らないだろうなぁ……。




