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天翔雲流  作者: NOISE
こうして世界は、光に包まれた
1473/1794

誠実なビジネスの筈?

 ヨハネスが、高揚した顔で、

「あの!この様な、一大事業を任せて頂き、私達は、ジャショウ様に、何をお返しする事が出来ますか?」

 何を言っているんだ?

 俺は、首を傾げ、

「ふむ?ヨハネス達からは、十分、多くのモノを、還してもらっているが……?」

「は?な、何を?」

「何をって……。フリュクベリ商会を復活させた時、約束しただろう?誠実な仕事をし、他国の信頼を勝ち取る!君達のお陰で、エネス地区の評判は、内外に、響き渡っている!この調子で、人々の信頼を、勝ち取って欲しい。スターリーに、エネス地区在り!なんて、ちっぽけな評判じゃ無く。アルシファードに、エネス地区在りと言われる様に、これからも、頑張ってくれ!」

「アルシファードに、エネス地区在り……」

 ヨハネスは、真っ赤な顔で、その身を震わす。

 セバスは、そんな、ヨハネスの肩を叩き、

「若!言った筈でしょう?サルスフォードなど、この方を前にすれば、赤子に等しいと!フリュクベリの名を、世界に轟かせましょう!そして、エネス地区の為!ジャショウ様の為!我等は、我等の信念を、貫き通すのです!」

「あ、ああ!サルスフォード……。なんと、ちっぽけな人間に、私達は、怯えていたのだろう?ジャショウ様と共に働けることが、これ程、重圧で、胸踊らされる事とは!セバスよ!我等の信念、この方の下で、貫き通そうぞ!」

「その意気です!若!」

 何だか知らんが……。

 ヨハネス達が、何時にも増して、やる気に満ちてしまった。

 そんな、ヨハネス達を見て、ヨルブン達は、満足げに笑う。

 ヨセフ達は、盛大に、ため息をついているが……。

 ヨルブンとロンベルは、ニヤニヤ笑い、

「やはり、ジャショウ殿は、兄上殿に、よく似ておられるな!」

「まったくだ!ヨルム様も、共に歩む者に、光の道を、指し示してくれたものだ!」

「俺は、あんな、狸ジジイとは違う……」

 皆、豪快に笑う。

 まったく、どいつもこいつも、人の事を、謀略家の様に語りおって……。

 俺は、誠実に、ビジネスを、行なっているだけなんだ!


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