悪いけど、自重しねえから!
酒が回り、ヨセフとヨシカが、長々と、愚痴をこぼす。
「ヨシカ……。もう、彼等は、駄目だろうねぇ……。代わりとなる人材は、何人か、居るかい?」
「はぁ……。既に、準備は終わっております。後は、兄上次第ですね」
「それじゃあ、準備の方を、よろしく頼むよ……。はぁ……。一年と言わず、直ぐにでも代えたいんだけどなぁ……。どうせ、ジャショウ君達、自重しないのだろう?」
恨めしそうな顔で、俺を見るな!
俺も、ため息をつき、
「国王陛下が、その様な統治を、望んでいると言うのであれば、私達は、何もしませんが……?」
「あははは……。それは、困ってしまうな。ジャショウ君達には、今まで以上の、成果を望んでいるよ。うん。頑張って欲しい」
「ジャショウ君。兄上が言っているのは、報連相を、しっかりする様にと、言っているのです!君達だけで、突き進まれては、私達まで、取り残されてしまう!」
「けどよう……。報告に行くと、他の貴族が、邪魔をするじゃ無いか?」
「もう、彼等に、邪魔はさせません!彼等も、いい加減、理解したでしょう。ジャショウ君に、一存すれば、自分達の首を、絞める事に成ると」
「はぁ……。本当に、分かっているのかねぇ……?」
「大丈夫だよ、ジャショウ君。君との謁見に、無能な彼等を、立ち合わせたりしないから。だから、月一で良いから、エネス地区の状況を、報告に来て欲しいな」
「はいはい、仰せのままに……」
まったく、面倒臭い……。
俺とて、暇じゃ無いと言うのに。
仕方が無いとは言え、アルテイシア同様、ヨセフも、注文が多いなぁ……。
しかし、六領での貿易が始まれば、莫大な利益が望めよう。
明日にでも、フリュクベリ商会の、ヨハネスとセバスを呼び、ヨルブン達と、顔合わせを、する事としようかな?
俺は、フリュクベリ商会の事を、ヨルブン達に、話す事とする。
ヨルブン達は、是非にと、ヨハネス達との顔合わせを、強く望んだ。
横で、ヨセフ達が、盛大に、ため息をついている。
悪いけど、自重しねえから!
さてと……。
ヨルブン達には、しばらくの間、我が館に、滞在してもらって、六領の貿易について、話をまとめるとしようかな……?




