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天翔雲流  作者: NOISE
こうして世界は、光に包まれた
1444/1793

同盟国故に……。

 苦しい戦況は続く……。

 バーサス国は、阿鼻叫喚の地獄に変わり、そこから、後方の国々が、魔族の脅威に、脅かされている。

 今日も今日とて、バーサス国からの、救援を求める使者が現れ、

「お願いですから、お救い下さい!このままでは、我が国が、滅びてしまいます!」

 フィリス三世は、嘆息を漏らす。

 使者を睨み、

「我が国に、そんな余力が、有る訳が無かろう?オールド帝国を始め、前線国は、魔族の猛攻に、混戦状態。その上、お主等の国が、魔族の侵攻を許したために、我が国も、防衛を強化せねばならぬ!儂は、散々、警告した筈じゃぞ?それを、他国を悪戯に脅し、我が国が、権力を得ようとしていると、糾弾したのは、お主等の国だろう?助けてやる義理も無ければ、余力も無い!自力で、何とかするのだな」

「全ての非を認めます!今後、エルバート国に従い、魔王討伐に、尽力を尽くしますから、どうか、お救い下さい!それに、我が国が救われれば、後方からの魔族の脅威は、無くなるではありませんか!フィリス三世国王陛下には、公正で寛大な采配を、下して下さることを、強く求めます」

「為らん!これが、公正な判断じゃ!オールド帝国、レーザル聖帝国、アズーラ国、三国に援軍を派遣し、残された兵で、自国を守っているのだ!これ以上、兵を、分散する事など、出来る筈か無かろう。バーサス国も、何カ国かと、儂等と対抗し、同盟を結んでおるのだろう?その国々に、助けを求めれば、良いでは無いか」

「そ、それは……」

 残念だが、出来る筈が無い。

 先述述べたが、貿易の際に、魔物の被害を受け持つ代わりに、法外な金額を、他国に、吹っ掛けていたのだから……。

 いざ、魔物が現れたら、対抗できず、助けを求めるなど、今後の貿易に、支障をきたしてしまうだろう。

 それどころか、国の信頼に、関わって来る。

 同盟国だからこそ、助けを求められない。

 如何にお粗末な、政を行って来た事か。

 バーサスの使者は、言葉をつぐんでしまう。

 恐らく、この難局を、乗り越えた所で、バーサス国の信頼は、失墜してしまうだろう。

 それどころか、国として、存続できるのだろうか?

 哀れな道化には、御退場願おうか……?


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